こんにちは。
最近,テレビ番組の「やらせ」に関して問題となることが多いですね。
ここ数年の風潮のように思います。昔はなあなあなところがありました。
受験生だったころ,勉強以外の時間はできる限り削っていましたので,テレビのために時間を確保していたのは週に1時間強でした。意識して削ったわけではなく,自然とそうなっていきました。それこそ,呼吸をするように勉強をしていたように思います。勉強が生活の一部みたいになっていましたが,本当に見たい番組だけは見つづけていたのでしょう。
いいことではありませんが,日曜日の競馬中継は必ず見ていました。それと,「進め!電波少年」という番組を見ていました。
当時,電波少年では,猿岩石というお笑いコンビがヒッチハイクでユーラシア大陸を横断するという企画が行われていました。スタートが香港でゴールがロンドンでした。
ちなみに,猿岩石のメンバーだったのが,有吉弘行さんです。
この企画が面白く,電波少年も番組全部ではなく,このコーナーだけを見ていたように思います。
このユーラシア大陸横断ヒッチハイクですが,途中で著しく治安の悪い地域,それこそ紛争地帯や国境が封鎖されている場所も通過する必要がありました。
どうしていたかというと,実は,こうした地域を通過する際には,飛行機を利用していたことがのちに明らかになりました。3回乗ったそうです。
当然,番組に批判も寄せられましたが,食べるのにも困りながら半年かけてゴールした猿岩石さんを賞賛する世論には変わりがなく,猿岩石さんはCDデビューするなど,しばらくは人気者,ときの人としてご活躍されました。
20年以上も前の話ですね。
これがもしも現代だったとしたら大問題になっていたかもしれません。少なくとも,有吉さんが今もテレビでご活躍をつづけているということはなかったでしょう。
「やらせ」の問題に限らず,何においても厳しく厳密に運用しようとする世の中に変化したように思います。もちろん,多くのことはそうすべきでしょう。セクハラであるとかタバコであるとか,今以上に厳しく取り締まる必要も感じております。
ただ,同時に息苦しい生きにくい世の中になったなあとも感じることがあります。
厳しく厳密にというのは,西洋文明の影響のように思います。一方で,日本の「和」の文化というのは,あいまいさを絶妙に残している部分もありました。相容れない矛盾する性質も内包していたということでしょう。
厳密さを取り入れた結果,その負の部分が強く目立ってきたようにも感じています。
少なくとも,信頼できる個人と個人の関係においては,あいまいさがあったほうが,さらにはお互いのあいまいさを許容する寛容性も必要でしょうが,そちらのほうがうまくいくように思います。
これからは,厳密な運用を求める傾向がますます強くなるでしょうが,果たして,日本はどのような社会になっていくのでしょうか。
では。