志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

北海道公立高校入試,出題範囲大幅削減

こんにちは。

 

今日は大きなニュースが飛び込んできました。

2021年の北海道公立高校入試ですが,出題範囲を大幅に削減することが北海道教育委員会より発表されました。

 

北海道教育委員会ホームページ

高等学校入学者選抜情報 | 教育庁学校教育局高校教育課

pdfファイル「2021年公立高校入試 出題範囲」

http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/file.jsp?id=1312702

 

以前に,東京都で出題範囲が削減されたことを記事にしました。

その際に,北海道でもその可能性があることは申し上げましたが,今日の発表には驚きました。予想をはるかに超える範囲が削減されたからです。

「10月までの範囲から出題」することになり,11月以降に学習する内容は入試範囲に含めないという決定です。

数学だと,「相似」,「三平方の定理」,「円周角」,「標本調査」が範囲外となります。中3の主要な範囲がごそっと抜ける印象です。「まとも」な入試問題が出るのは「二乗に比例する関数」だけでしょう。

英語だと,「関係代名詞」が出題されません。

 

いろいろと問題点はあるでしょう。

まず,入試に課されない範囲を,果たして中3生のみなさんはまじめに勉強するでしょうか。しかも,ものすごく重要な単元が削減されているわけです。北海道の現在の中学3年生世代は大幅に学力が低下する可能性があります。

 

ただし,注意していただきたいのは,1月には学年末テストがあり,それで最終的な内申点が決まるということです。「11月以降の内容は入試範囲外」ではありますが,11月と1月の定期テストの範囲ではあります。

それならば,なぜ入試の範囲から除外するのか,甚だ疑問です。

 

「公平性を担保する」などといううたい文句で削減がなされたわけですが,休校期間中の課題をまじめにやっていた子たちが「バカを見る」ことにはならないでしょうか。

努力が報われないのは「公平性」を担保する上で,もっともやってはいけない措置だと感じます。

 

入試範囲の学習が終わった後にも,しばらく学校では入試に出ない範囲の学習がつづくわけですが,生徒たちのモチベーションは維持できるのでしょうか。

とくに,テストが終わった3学期の授業については,ほとんどの生徒がいわゆる「内職」をする状態となり,学級崩壊が起きることも懸念されます。

 

こちらの教室ではどのように対応するか,まだきちんとは決めていません。

ただ,高校入学後やその先の将来のことも考えて指導するのが私の理念です。中学範囲の学習を終わらせて大学に向けて頑張ることと,高校入試に向けた対策と,両立させていくことになるかと思います。

休校期間中も生徒たちはしっかり頑張っていました。だから心配はないわけです。

 

では。

 

 

【7/11午後13時追記】

私立高校入試がどうなるのかまだ何も決まっていないと思いますが,公立入試の出題範囲に準じて入試問題が作成されると思います。

仮に,私立高校は「全範囲」から入試を出題するのであれば,学校に頼らずに範囲の学習を終える必要が出てきます。しかし,その心配はないでしょう。

詳細がわかりましたら,また記事を書きたいと思います。