こんにちは。
昨日の合格体験記の生徒ですが,気になってお名前で検索をかけてみたところ,現在は東京大学で学ばれているようでした。
当然といえば当然の結果だと感じました。
さて,この方のいたクラスでは,みなさん最難関校に進学されていったのですが,教えるこちらとしても苦労はありました。
優秀な生徒たちに見合うだけの授業を提供する必要があるからです。
1回の授業は90分だったのですが,平均すると,授業準備に5時間くらいかけていたでしょう。授業用のプリントを作成し,最新の入試問題の中から演習問題を選定していました。
プリントをつくりながら,自分で理解の足りていない箇所を勉強もしました。複数の教科書を丁寧に読みながら,何を教えるべきかも取捨選択していました。
プリントができてからは,誤植をチェックしながら,どこにどれだけ時間を配分するか,ここで何を説明するか,どう説明するとわかりやすいか,…などと講義の流れを確認しました。
プリントと講義で話す内容の中に,おおよそ入試で必要な知識はほぼすべて盛り込んだつもりです。生徒たちは貪欲にそれを吸収していってくださいました。もっとも気をつけたのは「ウソ」を教えないことです。勘違いや勉強不足で私が間違えた内容を教えると,優秀な子たちですから,そのままずっと覚えている可能性もあります。
また,何かあったときには必ず訂正をしていました。
私自身の勉強にもなり,力がついたことはもちろんです。苦労もありましたが,驚くべき生徒たちの成長を見ながら楽しく授業ができていたことも事実です。この子たちには今でも感謝しております。
また,学習塾の社員が,1つの授業のために5時間も予習に充てるなど,なかなか許されないことだと思います。予習の「よ」の字すらないような環境の学習塾も経験したことがあります。そこでは授業はすべて行き当たりばったりです。きちんとした商品を提供できていたかどうかは(私個人だけではなく会社全体としても)疑問が残ります。
ですから,しっかりと準備に時間を割くことを認めてくれた会社にも感謝をしております。しかし,授業準備が社員の成長にもつながり,良い商品を提供することにも直結するのですから,これが認められない環境のほうが不幸であるようにも感じています。
教員を目指している方がこのブログを目にすることもあるかもしれません。
良い授業をするには,入念に準備をすることが第一です。第二には勉強して学力を身につけることです。しかし,授業準備は勉強も兼ねることになるでしょうから,やはり準備に尽きますね。
では。