志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

正直者が馬鹿を見る

こんにちは。

 

北海道学力コンクールさんから,学力テストBの偏差値換算表が発表されています。どうかご活用ください。

 

北海道学力コンクールホームページ「道コンデータ」

https://www.do-con.com/data/index.html#mainContents

 

さて,将棋界がよくないニュースで注目されています。

トップ棋士10人が名人への挑戦権を争うA級順位戦で,佐藤天彦九段がマスクの不着用によって反則負けとなりました。

 

将棋ライター松本博文さんによる記事へのリンク

https://news.yahoo.co.jp/byline/matsumotohirofumi/20221029-00321568

 

対局相手だった永瀬拓矢王座が指摘し,日本将棋連盟の理事会による裁定で反則負けが決まったそうです。

 

世間では,将棋をよくわからない人までもがあれこれと意見しているようで,問題がおかしな方向に進んでいっているように感じます。

大まかな傾向として,将棋を知らない方が永瀬王座を批判する傾向があるのに対して,将棋に詳しい方ほど,永瀬王座の行動に理解を示していると感じます。

私も永瀬王座は正しいことを行ったと思っています。もっとも,マスク不着用時の対応はどうなるのか,細かい規定がなかったことや,立会人がチェックして注意しなかったことなどは大いに問題であるでしょう。

 

私のようなあまり強くないレベルであれば,マスクをしようがしまいが将棋には影響がありません。しかし,トッププロだと違うでしょう。1回の対局で2kgほども体重が減るほど,プロ棋士の消耗は激しいのです。マスクを着けることは大きなマイナスとなるでしょう。

勝負がかかった終盤戦で,相手はマスクを長時間外します。指摘していいものかどうか,なぜ自分だけが理不尽に不利な状況になっているのか,永瀬王座にはさまざまな心の葛藤があったでしょう。その間はまともに将棋について考えられなかったとも思われます。

反則を指摘するのは勇気が必要だったと思いますが,ご自身の不利を考えれば,当然の権利の行使であったと考えられます。

 

それに対して,将棋を知らない方が,たかだか将棋,たかだかマスクでと,永瀬王座を批判する向きがあるように感じます。

 

今後,批判を受けたり,問題がこじれたりで,永瀬王座は調子を崩すように思います。

正しいことを行ったからといって,必ずしも報われるわけではありません。

むしろ日本では,正しいことを率先して行った方が,ババを引く傾向さえあります。永瀬王座を哀れに思っています。

 

同じような場面で,私もババを引いて損をしてきたことが多いと思っています。ババを引くとわかっていることが,正しいことを行わない理由にはならないと個人的には考えています。それは自分の生き方の美学のようなものです。

どのように生きていこうと,その選択は,後悔しないのであれば,人生にとっての正解なのでしょう。

 

では。