志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

進路指導の話

こんにちは。

 

進路指導の話です。

どの高校を受けようか,出願先を変更しようかなどと,悩んでいる方も少なくないでしょう。

私が進路指導をするときに最優先していることがあります。その生徒さんにとって,どれがもっとも幸せな選択なのかという,ごくごく当たり前のことです。

 

たとえば,Aというトップ校とBという2番手校があったとします。

学習塾としては,どちらに合格したとしても,素晴らしい進学実績となります。

Aは難しそうだけれど,Bには合格するだろうという生徒さんがいたとします。

ご本人の希望や性格,今後のことを考えて,どちらを受けたらいいのか,自分なりの考えを示すことになります。

 

Bで十分だと満足なさる方もいらっしゃいます。それで解決ですね。

Aに行きたい,どうしても受けたいという方もいらっしゃいます。不合格で滑り止めのFという別の高校に行く可能性が高いです。それでもこの生徒さんはFでがんばれるだろう,不合格の経験を糧にしてステップ・アップできるだろうと思えば,そのままAに挑戦させるでしょう。もちろん,合格できるように最善にサポートはいたします。

逆に,不合格で腐ってしまうようなタイプも少なからずいらっしゃいます。Fの校風が合わない場合もあるでしょう。そうしたときには,Bを勧めることになります。

最終的に決めるのは本人ですが,人生にとって最善の選択になるように,生徒さん本位で考えています。

 

かつて,まだコロナが流行り出す前でしたが,ある都立のトップ校へと入試応援に行きました。すると,2年生のときに教えていた他教室の生徒さんがやってきました。

(去年は成績が良くなかったのに,がんばったんだなあ)と思いつつ,激励して送り出しのですが…

その日の午後に会議があり,その生徒さんの教室の先生とも顔をあわせましたので,「○○さん,がんばったんですねぇ,××高校を受けるんですね。」とお話したところ,お相手の先生は唖然としていました。

聞いてみると,偏差値50くらいの別の都立高校を受ける予定だったとか。

その高校には行きたくない,私立に行く,だから公立は記念受験する,というのが生徒さんの本音だったのでしょう。明らかな進路指導の失敗ですね。

先生方は,現実的な受験校を提示しがちですが,やはり生徒さんの気持ちに寄り添ってあげることは必要ですね。

 

「私は○○高校(最難関)に行きたい。でも,今の塾では別のところを受けろ,無理だとしか言われない。」と,ホロホロと泣きながらお話し,私の教室に移ってきた生徒さんもいました。

結局,希望のところには入れませんでしたが,笑顔で別の高校へと進学なさいました。

この方も,その後の人生は心配なく幸せに過ごせたことでしょう。

 

では。