こんにちは。
10年ほど前,東京で働いており,Z会の学習塾部門で社会科の責任者だったとき,社会科の記述対策問題集を作りました。
コンセプトは「解答の根拠を示し」→「採点基準を明確にすること」でした。
「資料から○○が読み取れる」→だから「△△を書く」
もう一点「別の資料から●●が読み取れる」→「だから「▲▲を書く」
と,すべての設問に上記のような解説を付けました。
しかし,当時はまだまだ入試の透明性が担保されておらず,採点基準は発表されていなかったため,先生方からは「本当にこのように採点しているのか?」,「加点法での採点はおかしいと思う」などと,さまざまなご意見やご批判をいただきました。
「私も正確なことはわかりませんが,これが生徒たちが一番書きやすい,得点になりやすい指導方法だと思うので,これでやってみてください」とお願いしたわけです。
しかし,数年後には,答案が開示されるようになり,採点基準も発表されるようになり,「資料に解答の根拠があり」→「それにもとづいて採点基準が作られ」→「加点法で採点される」ということが明らかになりました。私が正しかったわけです。
何が言いたいのかというと,力のある社会科の先生方でも,多くの方は記述問題の指導に関しては,明確な方針がわからずに,「なんとなく」で指導していたということです。
生徒さんたちも「なんとなく」で解答を作成することになり,得点が思うように伸びないことになってしまいます。
それが「採点基準を資料から探す」という解き方がわかると,記述の得点は大きく改善するものです。
過去問演習の時期に入っていますが,社会科では,35点分ある記述問題が重要であると再認識しています。
記述対策の問題集は市販されていないので,今年は私が自分で作成しました。上記のように,解答の根拠と採点基準を明確にした解答・解説を付けています。教室の生徒さんたちは,記述問題を得点源にしていってくださるでしょう。
夏に準備をしておいてよかったと,過去の自分をほめたい気分です。
入試も同様にしっかりと準備すれば合格は手に入れられます。
みなさんもがんばってください。
では。