志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

国語辞典

こんにちは。

 

今朝の新聞記事の見出しに,「独壇場」という言葉が大きく出ていました。

これは正しくは「独擅場」です。よく見ると,辺が違いますね。読み方も「どくせんじょう」です。

手元にある国語辞典を引いてみたところ,「どくせんじょう」の説明には「⇒どくだんじょう」とあり,「どくだんじょう」の説明には「〔正しくは「どくせんじょう(独擅場)」〕とありました。「ふつうは独壇場だよ」と,辞書が言っているようなものです。

 

完全に誤用が広まって,正しい使い方を駆逐してしまった例ですね。こうして日本語は変わっていくのだなあと,新聞ですらこちらを使うのだなあと,朝から興味深いものを見つけてわくわくしていました。

 

最近のニュースだと,横浜ベイスターズが日本一になったきっかけとして,2連敗した後の選手ミーティングで,MVPになった桑原選手が,「みんな悔しくないのか」と「檄を飛ばした」ことが話題になりました。多くのスポーツ紙でもこの表現が使われていたと思います。

しかし,これも誤用でしょう。「檄」は「きへん」です。「激励」の「激」とこちらの「檄」を勘違いして,「感情をこめて励ます」といった意味で使われているのでしょう。

 

これも辞書を引いてみたところ,「①檄を急いであちこちに送る。②広くうったえかける。③あらっぽく注意したりして,はげます。」とありました。

檄は「自分の主義や行動の正しさをひとびとに知らせる文章」であり,①,②が本来の意味です。しかし,③として辞書に出ているということは,完全に市民権を得ているということでしょう。

 

辞書を引くと発見があって面白いですし,勉強にもなるなあと再認識したのでした。

 

先日,ちょっと難しい論説文の入試問題を,どれだけ時間をかけてもいいし,辞書で調べながらやってもいいので,全部正解するつもりで解いてくださいと条件をつけて宿題にしました。

1時間くらいかけて丁寧に文章を読み,当然辞書で調べもしたでしょうが,しっかり正解を導いてきてくれた生徒さんがいました。

こういう生徒さんは,必ず伸びますね。

 

みなさんも,国語は辞書を使いながらがんばってみてください。

では。