こんにちは。
22日に学力Cの偏差値を紹介した記事で,
「さて,3回の学力テストですが,本番の入試問題との難易度の乖離が著しく大きくなってしまいました。
合否判定の材料として,もしかしたら機能が弱まっている可能性があります。」
と書きました。
少し補足したいと思います。
かつて大きな塾に勤めていたときの,私の教室にいたある生徒さんのお話です。
都立のトップ校を目指しており,成績もALL5,模試の成績もよく,毎回A判定を取っていました。ただ,この生徒さんの授業を私は担当しておらず,成績だけを見て「順当に合格するだろうなあ」と思っていました。
ところが数学の担当の先生に伺うと,「第一志望は難しいですね」と。驚いて理科の先生にも聞いてみると「そこまでの力はないなあ」と。結局,第一志望の都立高校には不合格となります。模試では取れるけれど,本番でも得点できる確かな実力がなかったということでしょう。
模擬試験を作っていた立場からすると,やはり本番の問題はよく練られていて良問がそろっており,いくらがんばって本番に近い問題を再現しようとしても,限界はあって本番よりも質が悪いものになっていると認めざるをえません。
前出の理科の先生もおっしゃっていたのですが,そうした再現性の低さが,模試の判定の正確性を下げていると考えられます。
北海道の学力テストの場合ですが,さらっと全範囲を確認するような問題で,平易な問題が多くて平均点も高く,本番の試験問題との差は非常に大きいです。また,毎年似たような問いが出題されるために学力テストに特化して対策した方も少なくないでしょう。合否判定としての絶対の信頼性があるとは言い切れないと感じます。
失礼ながら,道内の模擬試験に関しても,やはり本番の問題とは多少の差があることは否めません。
例に挙げた方のように,模試の判定が高くでる方もいますし,逆に力はあるのに模試では点が取れずに低くでる方もいらっしゃいます。
もちろん,実力通りの得点になっている方がほとんどであることも,念のために書いておきます。
もしも,模試では取れないけれど過去問は取れるぞ,逆に過去問だと全然できないというような方がいらっしゃれば,信頼できる先生に相談してみてください。
場合によっては志望校を変更したほうが幸せになれるかと思います。
では。