志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

修学旅行に行かない

こんにちは。

修学旅行シーズンです。近くの小中学校でも,修学旅行で塾をお休みする子がいたり,街を歩いていて修学旅行生らしき学生さんを見かけたりします。

修学旅行にあえて行かなかった方がいると伺うことがたまにあります。
以前に書いたことのある高校時代の先生で,「チャート(数学の問題集)を完璧にすれば,どんな大学でも合格します」とおっしゃっていた先生,この方は京都大学を卒業されたそうですが,受験勉強のために高校の修学旅行に行かなかったそうです。

高校時代の同級生で,私とトップを競っていた方は,当時,部活で部長を務めていたこともあり,部活と勉強があるからと,修学旅行に行かないことを希望されていました。結局は先生方に説得され,修学旅行には行きましたが,夜の自由な時間には,みんなが遊んでいるのを尻目に,部屋の隅で勉強をしていました。
競っていたと書きましたが,実際には,ほとんど毎回,彼が勝っていました。そこまでがんばるのですから,今思うと勝てるはずがないですね。その後,彼は東京工業大学へと進学し,「飛び級」のような制度を利用して,5年間で学部と修士を卒業されたと聞いています。

勉強や受験だけが目的で学校に通っているのであれば,「行かない」という選択肢もあるのかもしれません。ただ,多くの方はそうではないと思いますので,「行かない」ということを肯定しているわけではありません。
しかし,これくらいの覚悟をもって勉強をしている方もいらっしゃるということは,意識してほしいと思います。

将棋のある女流棋士の方も修学旅行に行かなかったそうです。
ご本人の許可を取ったわけではないので,名前は書きませんが,ツイッターなどでご本人がおっしゃっていたことでもあります。
プロになれるかどうかの大切な時期に修学旅行があったそうです。将棋のほうが大切だからと,「行かない」という選択をされたそうで,まったく後悔はないそうです。校長先生などとも何度もお話をして,説得を振り切って「行かない」と選ばれたそうです。
こちらは,間違いなく美談でしょうし,プロを目指すのであれば,それ相応の心構えが必要だと教えてくれるエピソードだと思います。

勉強に限らず,スポーツでも将棋のような芸事でもなんでもそうですが,目標をもって努力する,何かを目指すということは,「練習に多くの時間を割く」ということでもあるでしょう。当然,何かを犠牲にする必要もあるでしょうし,それなりの覚悟も必要です。「修学旅行を犠牲にする」というのは極端な例かもわかりませんが,それくらいの気持ちがあるのですから,ほかにどのようなことをあきらめて,やりたいことに情熱と時間を注ぎ込んでいるかは容易に想像できるかと思います。
漠然と高い目標,理想だけを掲げて具体的な行動が伴っていない方も少なくはないように思いますが,これだけの覚悟がもてるのかどうかと,本当に目指したいのであれば,そのことは改めて自分自身に問い直す必要はあるのかもしれませんね。

では。