志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

日食を見よう

こんにちは。

 

今度の6/21日曜日に,日本各地で部分日食が観測されます。

 

国立天文台ホームページ

https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/06-topics03.html

 

今回はより南の地点のほうが大きく太陽が欠けるそうです。

残念ながら,ここ札幌では「食」が最大になったときでも,面積比で18%ほどしか欠けないそうです。

 

部分日食とはいえ,あまり頻繁に観測できるものではありません。

太陽メガネなど,安全に観察できるものを用意して,ぜひともご覧ください。

(太陽を直接目で見てはいけません。失明などの危険もありますので,必ず安全な方法で観察してください)

 

小学生のとき,学校の宿題で月の日周運動を観察するものがありました。

透明半球を配布され,1時間おきに透明半球に月の位置を記録していきました。月の単元が終わると,透明半球などみんな捨ててしまったのでしょうが,私だけは飽きずに観察をつづけていました。

月の形や季節によって,月の南中高度は大きく異なります。そんなことを不思議に思っていました。

 

大学生のときに「自然科学史」という講義を受けました。

中国での天文学の発達の歴史に関する講義でした。

どうして日食や月食が起きるのかからはじまり,時代ごとに日食・月食の予測の精度が上がっていくことを講義してくださいました。

先生は,天文学に関する専門的な知識も有しながら,中国の古文書も解読することができるわけで,研究者の知識量に圧倒されたのを覚えています。ちなみに,先生は中国語も堪能で,中国語の講義も担当されていました。

月の南中高度の違いの謎も,どうして新月のときには必ず日食が起きないのかという単純な疑問も,その講義で解決しました。

地球の公転面に対して,月の公転面が傾いているからです。(この話は少し難しいかもしれません。)10年来の疑問が解決し,小さな感動があったことは言うまでもありません。興味をもつこと,楽しいと思うことが,やはり勉強には大切ですね。

日曜日に日食を見ることで,1000人に1人くらいは天体に興味をもってさらに掘り下げて勉強するかもしれません。ほとんどの子は一度見て終わりでしょうが,大切なのはそうした機会を与えつづけることでしょう。いつか本当に面白いと感じるものに出会える日も来るはずです。

 

ちなみに,講義を担当してくださったのが,大橋由紀夫先生でした。

調べてみると,昨年末に亡くなられたそうです。まだお若いのですが。

ご冥福をお祈りいたします。

 

合掌