こんにちは。
『学力の経済学』の2回目を読み終えました。大切な内容の本は,やはり何度も繰り返して読むべきですね。
読んでみて,考えたことを書きたいと思います。
本の中で,次のような研究結果が示されています。
学力の高い集団では,全体の学力が,他集団よりも上昇するそうです。しかし注意が必要です。もともと学力が高かった生徒たちの成績が上がっただけで,中間層,下位層には影響がなかったこと,さらには,下位層では学力の低下が見られる場合があることも指摘されています。
以前にブログで触れた「井の中の蛙効果」も,これで説明できるように思いますし,「ランダム化比較試験」による科学的な根拠もあるものなのでしょう。
次のような抽象的な例を挙げてみます。
札幌市内にもたくさんの公立中学校がありますが,地域差などもあって,中学校ごとに学力差があるのも事実でしょう。
たとえば,成績がちょうど真ん中くらいのお子さまがいらしたとして,上位層が集まるA中学に入ると校内での成績は下位となり,逆に下位層が多い別のB中学に入ると校内での成績は上位層になるとします。
この場合,B中学に入ったほうが成績が伸びる可能性が高いことになります。
一方で,成績上位のお子さまであれば,A中学に入ったほうが成績が伸びる可能性が高いということになりますね。
もちろん,中学校を選ぶのには,勉強以外にもたくさんの要素があります。悪い友達から悪影響を受けることもあるでしょう。勉強面だけでは,入学する学校を判断できないことも事実です。
高校選びに関しても,道コンさんからのデータを見てみました。
「レベルの高い学校の下位層として入学するよりも,レベルの低い学校の上位層として入学したほうが,3年後の成績は高くなる。」というのが井の中の蛙効果です。
札幌市内の高校で,あくまで入学時の偏差値だけで比較した場合,
札幌南に下位層で合格した生徒が,ある高校に上位層で合格するためには,札幌旭丘か札幌月寒まで下げる必要があるでしょう。
札幌旭丘の下位層だと,札幌平岸まで下げることになります。
(おおむね上位層も下位層も10%程度の範囲で見てみました。)
やはり,現実的な選択ではないですね。
大切なのは,「高校は勉強する場だよ」,「高校はスタートであって,大学入試に向けてがんばるぞ」といった意識づけと,正しい学習姿勢を身につけることであると考えました。
では。