志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

おもらし

こんにちは。

昨日のつづきです。
小学校1,2年生のクラスに,仮名で「純ちゃん」としましょう,そういう呼ばれ方がぴったりの,みんなから愛される性格の同級生がいました。
名前も「純ちゃん」というあだ名から想像できるようなありふれた名前で,名字もよくある名字でした。

その純ちゃんと大学時代に再会します。お互いに上京していたので,「北海道」つながりで,知り合うことになったのでした。
ありふれた名前なので,大学生になって最初にその名前を見たときには,どこかで聞いたことがある名前だなあ,たしか小学校のときの同級生にいたよなあ,程度にしか思っていませんでした。顔にも当時の面影はほとんどないですし,名前も小学1,2年生だと「ひらがな」でしか覚えていないのです。名前の「音」は一緒でも,「漢字」まで一緒かどうかはわかりません。もしかしたら,と思いながら,ずっと本人に聞かずにいました。
ところが,純ちゃんのほうは,すぐに私だと気がついたそうです。私の名前ですが,「西航(にしわたる)」という比較的珍しいものだからですね。さらに,純ちゃんには,私のことを忘れられない思い出がありました。
しかし,しばらく私には,「あのときの西だよね。」と,話してくれませんでした。話してくれなかったのは,その思い出と関係があるのですが。

小学校1年生のとき,一番後ろの席で,純ちゃんと私は隣の席だったことがあります。
そんなある日,授業中に純ちゃんはおもらしをしてしまいました。そのとき,そのことはほかの人たちにはばれずに,「誰にも言わないで」みたいに約束をして,濡れたまま帰ったように記憶しています。この出来事を私が覚えていたら恥ずかしい,そんな理由で,純ちゃんは私に「身分」をしばらく明かさなかったとのことです。

1年生がおもらしをしてしまう,なんともほほ笑ましい思い出ですが,実は純ちゃん,東京大学の学生でした。小学1,2年生のときには,そんなに勉強ができるという印象はなかったのですが,立派なものですね。

子ども成長段階には個人差があります。ある時期から急に勉強ができるようになることも少なくありません。1年生のときにこんな失敗をしてしまうような子でも,ものすごく伸びていくことはあるのです。中学や高校から急にできるようになる子もいますので,小さいうちはあまり成績がよくなくても,この子はできないと決めつけず,成長を信じて見守ることも必要ということでしょう。

優秀なのは純ちゃんだけではなく,さらに,大学の同級生にも,小学1,2年生のときのクラスメイトがいて,再会を果たすわけです。
札幌市のごく普通の公立小学校の1クラスから,東大に1人,一橋に2名が進学したのです。この2人は私とちがって市内でも最上位の高校に通っていたのですが,2人の話では,高校の同級生だった小学1,2年生のクラスメイトの中には,北海道大学に進んだ方も数名おり,医学部に行って医者になった方もいるそうです。

たまたまといえばそうなのかもしれませんが,小学校に入学したての子どもたちにとって先生の影響は大きく,厳しかった金野先生の力も関係ないとは言えないでしょう。
何度か,「学問に王道なし」という言葉をブログに書きましたが,これは金野先生に贈っていただいた言葉です。文字通りにコツコツと勉強をするようになった高校時代に私の学力は急激に伸びました。純ちゃん同様,小学1,2年生のころは,私は成績が良いほうではありませんでした。先生には,私の本質が見えてらしたのかもしれません。

では。