志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

許可がいるのかね?

こんにちは。

 

10年ほど前のこと,京都大学万葉集の研究をなさっていた知人が,「させていただく」という表現に違和感があって嫌いだとおっしゃっていました。

まあ,そんなに気にすることではないだろうけれど,この方の前では使わないようにしようと,その程度に考えていました。

 

しかし,最近ではこの「させていただく」という表現がやたらと使用されるようになりました。さすがに耳障りに感じます。
なんとなく丁寧な感じがして,あたりさわりないので,使用する側にとっては便利な表現なのでしょう。ですが,もっと別の適切な表現があるだろうし,そもそも許可を得るようなものではないときにすら使用されています。

 

私がこの表現を使うような場面に出会ったときには,使用法として正しいかどうか,他に適切な表現はないだろうか,と常に考えるようにしています。

こういう仕事をしていると,成績表などについて「コピーを取らせていただきますね」と許可をいただくとき,「元日だけはお休みさせていただきす」と休室日にするとき,このくらいしか適切な用例はないような気がします。後者も若干違和感がありますね。

 

本日は模擬試験を実施しています。

国語に限らず,短文記述式で解答する問いは少なくありません。「こんなこと」と頭の中に正しい答のイメージがあるのに,いざ解答に書こうとすると,どのように表現していいのかわからない,正確に表現できていない,わかっているのに日本語がおかしくて違うことを表現したことになっている,…といったことはよくあるでしょう。

ふだんから,自分が使用する言葉について,あれこれと考えていると,こうしたときの表現力も上がるでしょう。

「させていただく」もそうですし,「やばい」,「すごい」などと,ときには口癖のようになっている単語でもそうでしょう。これらの一言で済ませず,感情を正しく表現しようとする努力が,言語生活を豊かにしていくでしょう。

 

つまり日常の過ごし方で勉強ができる・できないは決まっている部分も大きいのでしょうし,国語がもっとも大切な科目だとも言えるのでしょうね。

 

では。