志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

事件について思うこと

こんにちは。

 

札幌市の中学校で,生徒の個人情報が書かれた資料を先生が紛失し,さらには生徒がそれを写真に収めたものがネット上に流失し,問題となっています。

資料の写真が掲載されたネット上の記事が削除され,目にしにくくなったのでこの記事を書いています。

探せば見られるかもしれませんが,読んでも気持ちのいいものではありません。

被害に遭った生徒さんや親御さんの心がケアされ,平穏な生活が戻ることを切に願っております。

 

さて,流失した資料を読んで感じたことを書いていこうと思います。

学校は生徒さんたちに対して一定の配慮は行っているようです。「あくまでランダム。成績順です。くじ引きです。」などと説明される学級編成ですが,それは建前でしかなく,生徒さんの状況を見ながらトラブルにならないように考えて行われていることが裏付けられました。

何らかの問題があった場合には,積極的に学校に相談するといいでしょう。次年度のクラス替えで配慮される可能性が高いです。

 

発達障害やその疑いについても共有されていて,一定の配慮が行われるように引き継ぎが行われていることもわかります。

 

ただ,文書を読んでみて個人的に感じたことは,それらは本当に「一定」の配慮でしかなく,十分ではないだろうし,とくに発達障害や学力不振などの問題に対しては,生徒さんの学校生活を機能させるための必要な配慮などは期待できそうにないな,ということです。

「問題さえ起きなければいい」という見て見ぬふり,臭いものには蓋をしながらやり過ごしたいという学校側の意志を感じました。

 

また,発達障害に関しては,「診断あり」,「診断なし」という記述もありました。診断なしの生徒さんは,問題ありと先生方が気がついていながら,問題を先送りされてきたとも考えられます。

仮に学校の先生が専門家に相談する必要がありそうだと感じたとしても,おそらく親御さんがそう先生からお話されることは極めて稀なのだと推察されます。

こうした問題は,ご自分で気がついて,ご自分で調べて,そして適切な機関に相談しなければ,放置されたままになるということでしょう。

 

「事なかれ主義」だと強く感じたわけですが,そもそもこの資料の存在自体が,その象徴ですね。人手も足りず,「何もできない」という学校の事情もあるのかもしれません。

 

レッテル貼りをされた生徒さんは,先生方から偏見の目で見られて能力を開花させていくことが阻害されるかもしれません。弊害も大きいのだろうなと感じます。

 

真の配慮が行き届いた学校になっていってほしいものですが,まだまだ時間はかかるのでしょうね。裏金だと政務活動費だのと問題になっていますが,教育にこそお金をかけてほしいものです。

 

では。