志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

ノーベル賞

こんにちは。

 

吉野彰氏のノーベル賞受賞に日本がわいていますね。

吉野先生,おめでとうございます。

 

私が幼いころには,日本人でノーベル賞を受賞された方は6人しかいらっしゃいませんでした。

それが近年では,ほぼ毎年のようにノーベル賞受賞者がでていますね。本当にすばらしいことだと思います。

ところが,ノーベル賞6部門の中で,唯一日本人が受賞したことがないものがあります。「ノーベル経済学賞」です。

 

大学は経済学部でしたが,当時から,最新の研究成果は欧米のもののほうが優れているという理由で,一部の講義やゼミナールでは,英語の文献を読んでいました。英語だけで講義を行う授業もあったと思います。

私は,同級生たちに比べると,英語はまったくできませんでしたので,なるべくそうした講義は避けていましたし,ゼミでも歴史(経済史)を専攻していましたので,英語の文献を読んで最新の研究に触れる機会はありませんでした。

しかし,日本が後れをとっているということは感覚的にはよくわかります。

 

自分が生きているうちに実現したところを見てみたいものがいくつかあります。

たとえば,「横浜ベイスターズの日本一」(自分が生きているうちに,あと1回あるかないかくらいだと思っています。)であったり,他愛のないものばかりなのですが,その1つが,日本人がノーベル経済学賞を受賞することです。

果たして,実現する日は来るのでしょうか?

経済学も,私が学生だった頃と比べると,大きく進化したようです。

昔の経済学というのは,「人々は必ず合理的な行動をとる」ことを前提として理論が組み立てられていました。簡単に例を出すと,「同じものが違う価格で売られていたら,全員が安いほうを買う」,「お金を貸すとき,どちらも同程度に信頼できる相手ならば,金利の高いほうに貸す」といった行動です。

しかし,実社会では,必ずしもこうした行動はとりませんね。見栄を張って高いほうを買ったり,金利は安くても仲の良い方にお金を貸したり,必ずしも合理的な行動をとるとは限らないわけです。

 

大学時代に,「人々は必ず合理的な行動をとる」という前提がおかしいのではないかと感じたことがあります。大学の先生曰く「この前提を認めないと,すべての経済理論は成り立たなくなる」と,(表現ニュアンスは不正確かもしれませんが)お答えになったことを覚えています。

 

しかし,近年では,この前提を疑って,心理学の要素を取り入れた理論も構築されようとしているらしいです。

経済学の歴史は浅く,まだまだ発展途上の学問であると思います。そうしたところが経済学の魅力の1つでしょうし,さまざまな可能性も秘めているでしょう。

もしも,経済学に興味をお持ちの学生の方がいらっしゃれば,ノーベル賞を取るぞという気概を持って,大学に進学していただきたいなと願っております。

 

では。