志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

塾の思い出

こんにちは。

もうすぐ冬休みですね。塾の冬期講習などを受ける方も多いと思います。
今,こういう仕事をしている私ですが,塾や予備校に通った経験はほとんどありません。
家庭環境や経済事情も通わなかった大きな理由の1つです。

中1と中2ときの冬期講習だけ塾に行きました。
中1のときには,当時の私があまりにも勉強をしないので,半ば強制的に行かされたようなところがあります。
中2ときですが,受験も近いので自分から行ってみようと考えました。親に頼んだわけです。ただ,これを最後に塾に行くことはありませんでしたので,このときに塾は必要がないと判断したということになります。

何があったか簡単に書こうと思います。
国語と社会の授業は,塾に来ても意味がないと感じました。
時間を計って問題を解いて,先生が解説をしながら〇つけをするだけでした。こんなのだったら自分で問題集を買ってやればいいや,と感じました。

これは塾はやめようと思ったのが数学の授業でした。
学校の成績が良いほうだったので,冬期講習を申し込んだときに選抜テストみたいなものを受けさせられ,その結果,一番難しいクラスに入ることになりました。
ただ,普段からその塾の授業を受けている生徒たちがとくに多いのが最上位クラスです。
また,学校で習わないこともどんどん出てきますし,さらには学校よりも進度が早くて,まったく習っていない単元も扱っています。それでも,わりと得意だった英語はなんとかついていくことができました。
しかし,数学はまったくのお手上げでした。

授業の流れですが,ちょっとは説明をしてくれます。しかし,1回教えたよね,という前提なので,まったくわかりません。それで演習をして,問題の解説をしてと,それでやってなんとなくわかってくる感じでした。

少し遠くの塾に行ったので,同じ学校から来ている同級生で最上位クラスに入っているのは私のほかに1人だけでした。その子と,その子の小学校の同級生と3人で授業を受けていました。2人は普段から通っていました。

数学は授業の最後に小テストがありました。それに合格をしないと追試があって居残りになります。
一緒に受けていた2人ですが,小テストの時間は一切解きません。
それで,どうするかというと,先生が解説をするのを写して,それで〇をつけて提出して帰って行きます。
自己採点だったのですね。1クラスに50人くらいいたかと思います。
できなかったら残って追試,こういう約束にするには自己採点にするしかなかったでしょう。
私もはじめは流されて,書き直して〇にして帰っていました。

しかし,これではいけないと,何日目かに,きちんとテストを解いて,当然解けないわけですが,それで残って追試を受けていきました。
追試もできないと,ご丁寧に追々試があり,またそれもできないと,……と,ずっとつづくわけです。
問題はその都度違います。
もちろん,私はどれも解けませんでした。今考えると,中2に対してメネラウスの定理なんかを教えていたように思います。今日の今日に少しだけ習っただけでできるほうが不思議だとも感じていました。

何度目かの再試験を受けて,それも不合格だったとき,
教室には5人くらい残っていたでしょうか,先生が「お前らもういいから帰れ」とおっしゃいました。
そのときに,もう塾はいいやと悲しい気持ちになりました。
次の日からは写して〇にして帰るようになりました。

できない子たちが残っているわけですから,丁寧に教えてあげるとか,何か別の対応があったのではないかとも思います。ちなみに,授業以外で先生方に声をかけられるようなこともありませんでした。疎外感があったことも覚えています。
多くは写して帰っているのだろうし,これでは塾に来ても意味がないと感じたことも事実です。

ただ,今の自分の立場で考えてみると,自分にも問題があったと感じるわけです。
英語は理解できたのですから,苦手だったとはいえ数学も頑張ればすごく力がついた可能性はあります。
先生に質問に行くとか,できなかったものを家で復習するとか,勉強のやり方を先生に相談するとか,そうしたことを一切しませんでした。

確かに,塾に普段から通っていないと,先生に聞きに行きにくい雰囲気はあるかと思います。
また,塾の授業の受け方もわかっていなかった部分もあります。

はじめて塾に行く,塾を変える,今度の冬からはすごく頑張ろうと思っている,そういう方も多いかと思います。
そうした方は,なんとなく聞いていると私のようになってしまう可能性はあります。先生方はそういう生徒のことを「お客さん」と表現することがあります。ただ,その場にいるだけで,塾に来ても意味が薄いよね,と感じるような生徒です。
一歩勇気をもって踏み出して,わからないところをとことんまで質問するとか,些細なことでも相談するとか,主体的に学んでみるとより有意義な冬期講習になるかと思います。先生方は質問されるとうれしいものです。怖がらずに声をかけてみてくださいね。

では。
がんばってくださいね。