志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

詰め込みの弊害

こんにちは。

 

私は,今では古文があまり得意ではありません。

高校3年の受験期に,ものすごくいい加減な勉強をしたことが発端となっています。

受験する大学の二次試験では,当時は本格的な古典は出題されませんでした。多少の語弊はありますが,センター試験でだけ使うイメージです。センター試験の国語200点満点のうちで,古文が50点,漢文が50点分出題され,その100点分を確実に満点を取るための勉強しかしませんでした。

 

高1,高2のころは,古文に真面目に取り組んでいました。ノートを上下の見開きで使用し,上半分には教科書の本文を写し,文法事項などを細かに書きこんで,下半分には現代語訳を書いていました。毎回,そうやって丁寧に予習をしていたのです。

文法であるとか,古文の基礎はしっかりと固まりました。

 

ところが,高2の終わりころから,どうせセンターだけだと,古文の学習を徹底的にさぼるようになりました。

しかし,センター試験はなんとかなるという確信がありました。文法は身についているので,古文単語さえわかれば簡単に読めて解けるはずだと。

どういう勉強方法をとったかというと,高3の10月から古文単語帳の勉強をはじめ,3か月で徹底的に詰め込みました。本当にそれしか勉強しませんでした。それでも目論見通り,センター古文は満点を取ったのでした。

 

しかし,たとえば大学でも古典を読む機会はあったのですが,全然読めないわけです。そうですね,単語をきれいさっぱり忘れているのです。10年くらい前に塾の業界に転職し,最初は個別塾におりましたので,古典を扱う機会もあったのですが,やはり単語をほとんど覚えていませんでした。

楽をしていい加減な方法で身につけたものは,それだけ簡単に忘れてしまうということでしょう。

 

定期テストの前だけ,間にあわせ猛勉強する子どもたちも少なくありません。対策をしたそのテストはどうにかなっても,受験に太刀打ちできるだけの力がついたとは言えない場合が多いです。

基礎練習を積み重ね,本質的な理解をしていなければ,覚えたことは容易に忘れてしまうでしょう。

 

理解度を100点満点で表すと,たとえば理解度が80点以下であれば,時間の経過とともに,覚えたことを少しずつ忘れていってしまうでしょう。

ところが,逆に理解度が90点を超えると,それはずっと忘れないものです。さらには,他の分野を新しく勉強したときに,古い知識と新しい知識が結びついて,さらに理解度が深まっていくことも少なくありません。

 

完全に理解できるようになるまで徹底して勉強してみましょう。時間がかかって大変なのですが,忘れてしまって後でまたやり直すことを考えると,回り道のようでも,結局はそれが一番の近道だということになりますね。

「あれ,以前はこの問題が解けたはずだけれど,やり方を忘れているぞ。おかしいぞ。」などと感じた経験が多い方は,とくにこのことを意識してくださるといいでしょう。

 

では。