こんにちは。
昨日の叫ぶだけの「研修」ですが,実は私も受けたことがあります。
受けたからこそ無意味だと断言もできます。
私は洗脳されずに冷静に周りを眺めながら,「研修」にのめり込んでいる振りをしつつ参加していました。
周囲が洗脳されていく様子を冷静に眺められたのは貴重な体験でした。
ある同僚は叫びすぎて酸欠になり,意識が一瞬飛んだようです。隣で叫んでいて,突然倒れたのを受け止めました。パッと意識が戻ったときに,「すべてを悟りました」というようなことを口にしました。意識が飛んだときに幻覚が見えたそうです。それで「奇跡」が起きたと感じたのでしょう。ぽろぽろと大粒の涙を流していたのが印象的です。
オーム真理教でも信者を洗脳する手法として,ときには薬物を用いて幻覚を見せることが行われていたそうです。薬物を用いなくても,限界まで追い込まれると幻覚が見えることがあるようです。
洗脳された同僚たちは「自分は生まれ変わった」などと口にして,しばらくは異様なほど仕事だけに打ち込んでいました。時間が経つと元に戻るのですが,ある同僚は「酒に酔っていたみたいな感覚だった」と話していました。
塾業界に転職して最初に入ったのが,東京の多摩地区を中心に展開する,あまり評判がいいとは言えない学習塾でした。その会社の研修がこれでした。
その塾に入社して間もないころ,当時お世話になっていた方と飲みに行ったときだったと思います。この方は大手銀行に勤務された経験がありました。大きな企業との比較が私の念頭にあったのですが,「この会社のやり方だと,人材が育ちませんよね。おかしいのではないでしょうか。」とその方に聞いてみたのです。
「そもそも育てる気がない。人材はすべて使い捨てだよ。」即答されました。
あのような「研修」を行う目的にしても,何も考えずに命令されたことだけを懸命にこなす「駒」がほしいからでしょう。
一方で最初に入社した,塾と比べれば規模の大きな会社では,研修も充実していましたし,そこで身につけたことは今でも役立っています。きちんと人材を育てていたわけです。
何度か会社を辞めていますが,自分が成長できない,単なる「駒」として扱われていると感じるのならば,ただただ消耗していくだけですので,決断よく辞める勇気も必要だと思っています。
気がついたら燃え尽きた自分だけがいて何も残っていない。そんなことになりかねません。
かつての教え子たちの中には今春から社会人になった方もいらっしゃいます。
肩ひじ張らずに仕事を楽しみながら成長していってほしいなと願っています。
では。