志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

逃げてくれ

こんにちは。

 

今朝のニュース記事で知ったのですが,昨日のマラソンでは,服部勇馬選手が熱中症になってふらふらになりながら完走してゴールしたそうです。

 

完走したかった,応援に応えたかったという服部選手の意思は尊重したいです。

しかし,個人的には無理せずに途中棄権してほしかったですね。

ロス五輪のアンデルセン選手は,現代社会においては美談ではなくなっているでしょう。

 

かつて私がある会社を辞めるとき,私としては「いちぬけた」くらいの気楽な気持ちでいました。まあしがみつくような魅力ある会社ではないなと。

しかしある方からは,逃げ出すことにも勇気がいるし,逃げ出せるのは強いからだ,というように評価していただきました。

 

逃げるのは卑怯だ,最後まで戦いなさい,という根性論が今でもまかり通る古い体質がスポーツ界には残っているのかも知れませんが,それは間違えていると思います。

熱中症は最悪の場合は命の危険もありますし,後遺症が残ることもある恐ろしい病気です。

後進の選手たちのためにも,スポーツ界のためにも,そしてご自身のためにも,途中棄権する勇気,強さがあってほしかったなあと残念に思っています。無理をしないことを伝える強いメッセージになったことでしょう。

 

「逃げる」という表現が少しおかしいのかもしれません。「危険をさける」,「避難する」くらいの表現のほうが正しいような気がします。(これもピタリと正確に表現できているとは思いませんが。)

 

学校でも職場でも何かの競技でも,「逃げる」ことは勇気があって強いことも証明ですし,ご自身の身を守ることにもなります。

さしあたっての危険があるのなら,避難するのは当然のことでしょう。

「逃げないぞ」という姿勢では,不幸になってしまうことも少なくないのかもしれません。

 

では。