志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

ニッチな需要を掘り起こす

こんにちは。

 

近年,話題となってベストセラーとなる歴史の本が少なくないように思います。

いくつか挙げてみると

応仁の乱』(呉座勇一著,中公新書

観応の擾乱』(亀田俊和著,中公新書

『日本軍兵士』(吉田裕著,中公新書

などがあるでしょうか。

 

中公新書さんの宣伝をしているわけではありませんが,偶然にもすべて中公新書さんの書籍でした。それだけいい仕事をしているということでしょう。

 

こちらも話題となっている本ですが,私は今,『荘園』(伊藤俊一著,中公新書)の2回目を読んでいます。記事を書いていて気が付きましたが,これも中公新書さんでした。

 

『荘園』

https://www.chuko.co.jp/shinsho/2021/09/102662.html

 

私の語彙力ではどう表現していいのかわからないのですが,この本はとにかくスゴイです。ベストセラーになるように思いますし,何十年にもわたって長く読まれていく名著になるでしょう。

 

荘園というのは非常にマニアックなテーマでしょう。

歴史が好きな方というのは,戦国時代であるとか,幕末であるとか,英雄たちの華々しい活躍を好むものです。社会経済史,しかも土地制度など,専門的に歴史を勉強した方でなければ興味を持たなそうなテーマです。

しかし,荘園制の理解が日本史,とくに中世史の理解には不可欠ですし,荘園制が政治や経済,社会に与えた影響は計り知れません。深く歴史を理解したいと考える方であれば,手に取りたくなる一冊でしょう。

 

さらに,荘園制というのが複雑で非常にわかりにくいのです。

それをこの本は素人にも非常にわかりやすく解説してくれています。

ちなみに,社会経済史の論述問題が課される大学入試を受けられる方は,読んでみると勉強になるでしょう。

 

今回挙げた4冊の中では,とくに『観応の擾乱』と『荘園』は一目売れなさそうなマイナーなテーマです。しかし,ニッチな需要はあるものです。そうしたところに果敢に挑戦して成功させた中公新書さんはすばらしいと,記事を書いていて気が付きました。

 

本当は『荘園』の紹介をするつもりで書いていたのですが,中公新書さんの宣伝になってしまいました。

私もチャレンジ精神を忘れずに,果敢に仕事に取り組んでいきたいものです。今,教室の新しい商品を考えています。来年春に実現できるかもしれません。

 

では。