こんにちは。
国語の教科書は専門家の方たちが苦労して作られているだけあって,なかなか良い作品が載せられているなあと感じます。
私が中学3年のときの教科書には,魯迅の『故郷』が載せられていましたが,この作品は今でも教科書に残っています。
「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば,それが道になるのだ。」
という言葉でこの作品は締めくくられます。
なかなか考えさせられますね。
高校時代,3年生にもなると,現代文の授業は真面目に聞いていませんでしたので,教科書の作品を読んで時間をつぶしていることがありました。印象に残っているものだと,『たけくらべ』を読んだでしょうか。
考えてみると,詩歌の類は教科書で学んで知ったものばかりです。というより,個人的に買って読んだ詩集は中原中也のものだけです。教科書がなければ,多くの詩歌には触れずに終わっていた可能性が高いわけで,それだけでも,国語教育の価値の高さはわかるというものでしょう。
教科書の作品の中でもっとも印象に残っているものが,タイトルにある通り,山川方夫さんの『夏の葬列』です。中学3年の教科書だったと思います。
一言で表すと,残酷でぞっとするような内容です。ホラーではないのですが,間違いなく「怖い」お話です。
中学3年生が読むには,少しテーマが重たく,その理解が難しいところがあるのかもしれません。それで,今は教科書から消えたのかもしれませんね。
ただ,この作品だけは,そのストーリーも鮮明に記憶に残っています。
間違いなく名作と言えるでしょう。少なくとも,15歳の1人の少年の心を大きく動かしたことだけは事実です。
国語が嫌いという方も少なくないと思いますが,作品を楽しむ気持ちを持っていただくと,国語の授業も少しは違ったものになるのかもしれませんね。
この作品は,20数年ぶりにまた読んでみようと思っています。
では。