志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

授業の聞き方

こんにちは。

 

以前にした塾では,その塾で独自に作成したテキストを使用していました。

いろいろとご批判をいただいたり,失敗したりしたこともありましたが,中学社会科のテキストは私が作成していました。

学習塾だと限られた授業時間で効率よく必要な知識を教える必要があります。時間を節約するため,用語の穴埋めをしながら授業が進められるようにテキストを構成していました。

生徒たちにとっては,先生の説明を聞きながら,テキストの穴埋めだけをしていけば一応は授業についてこられることになります。

 

私は,テキストはあるものの,要点を黒板にまとめながら授業を進めていました。それで,テキストの穴埋め部分が出てくると,「①の空欄は,織田信長ですね。」などと穴埋めするように指示していました。

 

進学校を目指す成績の良い子たちが多い塾だったのですが,生徒たちがどのように授業を受けていたかというと…

かなりの数の生徒が自分のノートを持ってきて,黒板をノートに写しながら授業を聴いていました。また,多くの生徒は,テキストにしたがって穴埋めはしていくものの,線を引いたり,必要なことをメモしたり,ただ聞いて穴埋めをするだけの生徒はまったくいませんでした。

生徒たちがどこでメモをするのか観察していると,ああやはりわかっているなあというところで何かしら書いています。

大切なところを見極める,そして理解することが目的である,ということがわかっているからこその授業の受け方をしていました。

 

一度,ノートを取っている生徒に,「黒板に書いたことは全部テキストに書いてあるよ。このテキストを作ったのは自分だし,黒板に書いているのはテキストの要約だよ。書かなくてもいいんじゃないの?」と聞いてみたことがあります。

「書いたほうが理解ができるんです」とおっしゃっていました。あまり器用なタイプではありませんでしたが,コツコツと努力して,公立と国立の進学校に合格されました。ご自分のスタイルが確立していたということでしょう。

 

一部に苦手な生徒もいたことは事実で,「ここは大切だから絶対に覚えておいてね」と話したことも,他の生徒がメモしたり線を引いたりしている中で,ぼーっと聞いているだけの子もいました。

 

ほめられたことではないですが,「ここの部分は必要ないので無視ししてください」と話したとき,修正テープを取り出してきて,全部消した生徒がいました。ちなみに,この子はのちに東京大学に進学されました。極めて合理的に考えていたということでしょう。

 

ただ聞く,言われたことだけする,黒板に書かれていることだけ写す,…というのでは,授業の理解から大きく差がつくでしょう。考えながら授業を聴く訓練も必要でしょう。急には無理でも,少しずつ意識はされるといいと思います。

 

では。