志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

受けに行くのをやめよう

こんにちは。

 

今,この瞬間にも,多くの方が国立大学に入試で戦っていらっしゃることでしょう。

昨日は私が数学で大失敗をしたことを書きましたが,野球でいえばエースが打たれて5回を終わって6対0,ろくなリリーフピッチャーが残っていないというような状況でした。

 

大学入試は配点が全教科一律ではありません。

私が受けたところは,

「センター210点 国語110点 数学260点 英語260点 社会160点」合計1,000点満点でした。

一番得意だったのが数学で,過去問を解いた感じでは,6割以上はコンスタントに取れていました。5割は固いと思っていましたし,8割くらい取ってやるつもりで試験に臨んでいました。他教科とのバランスで考えると,数学で6割取れれば合格するだろうし,逆に5割を切ると難しいと思っていました。

それが,3割しか解けなかったのです。さらに,はっきりいって英語と社会(日本史)は苦手で,逆転のビジョンなどまったく描けませんでした。

 

試験が終わってから,夜の7時くらいまでずっと泣いていたでしょうか。

そこで実際に自分が考えたことは,

「どうせ受けても無駄だから,明日は試験会場に行くのをやめよう。」

でした。

 

幸運だったのは,当時はスマホもインターネットもなかったことです。

また,まじめに勉強をしていてほとんど遊んでいなかったので,大都会東京のどこで遊んで時間をつぶしていいのか皆目見当がつかなかったのです。調べようがありません。

当時,唯一といっていいくらいに息抜きにやっていたのが「馬を見ること」でした。さらに馬を見る場所もだいたいはわかっていましたし,電車に乗れば大学からすぐに行ける場所ではあったのですが,土日しか「馬を見ること」はできません。幸か不幸か翌日は平日でした。

 

翌日は,行くあてもなくホテルを出て,それでも試験会場方面への電車に乗りました。

試験会場に行くには新宿駅で乗り換える必要がありました。新宿という地名は聞いたことがありましたし,なんとなくどんな場所かも知っていました。

ここで1日時間をつぶそうか,そう考えて新宿駅南口の改札の前まで行ったことを覚えています。

ものすごく混雑する駅の構内で,大きな荷物を抱え,さらには人混みにも不慣れで,案内板を見なければどこに向かって歩いていいのかすらわからない田舎者でしたので,極めて邪魔くさい存在だったと思います。

おそらく,わざと私にぶつかったサラリーマンが私をにらみ付けてそそくさと改札から外に出ていきました。そのおじさんを目で追いかけるように改札の外を見ると,ビルの隙間から新宿の空が見えました。

どんよりとした灰色の空が,来るなと私を拒んている気がしました。

 

それで,半分はあきらめながらも,意を決して試験会場に向かったのでした。

 

1日目ができなくても何が起きるかわかりません。

また,とくに数学は,思っている以上に中間点をもらえているものです。

最後まで死力を尽くして戦ってみてください。仮に1日目がダメだったとしても救われることもあるでしょう。

2日目のみなさまの健闘もお祈りいたします。

 

では。