志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

空白の3か月

こんにちは。

 

またまた藤井総太七段が大きなニュースになっていますね。

「勝ったこと」と「あと1つ勝てば最年少でタイトル獲得なること」ばかりが報じられていますが,将棋の内容が素晴らしかったです。

対局相手の渡辺明三冠は,今もっとも将棋界で充実している最強の棋士でしょう。その渡辺三冠が手も足も出ずに完封負けを喫しました。

数年前,当時の佐藤天彦名人が将棋AIに2連敗したことがありました。このときも完封負けで,何か得体のしれない圧倒的な実力を将棋AIが見せつけたように感じたのですが,今回の藤井先生の将棋も,それに近いくらいの強さを感じました。

もう誰も藤井先生に勝てないのかもしれません。人智を超越した,他の棋士とは違う次元に到達したように感じました。

 

中盤の難所で,藤井先生が何手か連続して長考をした場面がありました。

1手だけは長考しても,そのときに方針は決まったはずですので,連続して長考されるのは意外でした。

そして「△3一銀」という守りの手を指しました。解説のプロ棋士も将棋AIも読んでいなかった手です。いかにも苦し紛れで,何か誤算があったのではないかと思いました。

しかし,これが実は深い読みに裏付けされた良い手で,そこから一気に何もさせずに勝ち切りました。

この「3一銀」という手ですが,コンピュータ将棋の大会で優勝した最強のAIに永遠と考えさせたところ,最初はまったく考えていなかった手であるのに,なんと6億手以上読ませると,突然,最善手として挙がってくるのだそうです。

それを見つけて指せる藤井総太先生の強さは,やはり異次元です。

 

将棋界もコロナの影響を受けました。だいたい3か月くらいの間,ほとんど将棋が指せない時期がありました。その対局がなかった3か月の間に,藤井先生は弱点をカバーしてさらに進化を遂げたようです。並々ならぬ努力をなさったのでしょう

私ごときがプロ棋士の先生の評価をするのはおこがましいのですが,中盤がものすごく上手になりました。時間がなくなって間違えることがあった終盤についても,秒読みに終われていていも正確無比に指せるようになりました。本当に驚きです。

 

3月~5月のちょうど3か月間,学生のみなさんも学校がありませんでした。

この期間にがんばった方もずいぶんといらっしゃるでしょう。まだまだ実感はないかも知れませんが,必ず大きく前進をしているはずです。自信をもってください。

 

では。