こんにちは。
最近はコロナの影響でイベント自体が開催されないのですが,以前はよく将棋のイベントに行っていました。
藤井総太四冠のご活躍が注目されていますが,藤井四冠が対局しているようなタイトル戦だと,大盤解説会というものが開かれます。
対局場とは別の場所に大きな盤と駒を用意して,それを使って駒を動かしながらプロ棋士が将棋の解説をしてくださるものです。
将棋祭などの他のイベントでも言えることですが,東京ではファンのマナーが非常によろしくありませんでした。札幌の方々は本当にマナーがいい。
一度,札幌の将棋祭に行ったとき,関東からいらしたファンの方が,こちらは本当にマナーがよくて気持ちがいいとおっしゃっていました。私だけの感想ではないでしょう。
関東のイベントだと,荷物を置いて席取りをする人,パシャパシャと出演者や他のお客さんのことを考えずに写真を撮りまくる人,三脚を立てている人までいて,まあそれはひどい有様でした。
大盤解説会だと,ご老人にそうした方が多いのですが,声を出して解説者に質問したと思いきや,解説者を差し置いて指し手の解説をするような迷惑な人も少なくありませんでした。当然,誰も聞きたくはない。
札幌では,そんな光景は一切目にしません。
ある将棋のライターさんと,ファンのマナーについて話している,こんなエピソードを紹介してくれました。
谷川浩司九段(十七世名人)が大盤解説会で解説されているとき,やはりご老人があれこれと指し手について話し出したそうです。
谷川先生は「手の解説は私がする。だがらあなたは聞いていなさい。」と,ぴしゃりとたしなめたそうです。かっこいいですね。
さて,2000年頃だったと思いますが,大学の125周年記念のイベントで,石原慎太郎氏の講演会が開かれたことがありました。
当時,国立市のマンション建設問題というものがあり,景観の保護と日照権の確保を主張して,一部の住民たちが住民運動を展開していました。
公演の最後に質問を募集したのですが,一人のご老人が,マンション問題についての質問,というよりもちょっとした演説を開始しました。
石原氏は「それは今日の公演とは関係がないから,あなたは黙ってなさい。」と,優しい口調でありながら,毅然とした態度でたしなめたのでした。
そんな凛々しい姿を今でも覚えています。
石原慎太郎氏が亡くなりました。
合掌いたします。
では。