志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

社会は捨て科目ですが…

こんにちは。

 

私が高校生のときには,オウム真理教が大きな話題となっていました。学校でも,クラスに1人はオウム真理教に詳しい人がいて,教団の幹部の名前とかホーリーネームとかを覚えていたりしました。

同級生の中に,オウム真理教のスポークスマンであった上祐氏に似ている人がおり,上祐似ということで,それなりに女の子から人気があったりもしました。そんな時代でした。

 

ところが,次第に犯罪に関わっていることが明るみになっていき,最後には大量の逮捕者を出しました。なぜ,こんなにも頭のいい人たちがインチキ宗教に騙され,犯罪にまで加担してしまったのだうかと,ワイドショーでも盛んに取り上げられていました。

実際,京都大学卒業,京大在学中に司法試験に合格した天才弁護士が教団を擁護する論陣を張ったり,筑波大学の大学院で博士課程まで進学した秀才がサリンの製造に携わったり,東大の修士を出た方が核開発に携わったり,ほかにも医師であるとか,高学歴の信者は枚挙に暇がありませんでした。

 

そんなとき,高校の政治経済の授業で先生がおっしゃっていたことが記憶に残っています。倫理と政治経済を担当する先生でした。

 

「オウムの人たちは理科系の勉強はすごくがんばって,それで勉強もできて優秀なのだろうと思う。だけれど,倫理とか政治経済の勉強が足りなかったのではないだろうか。インチキな教えを信じてしまうのも,人殺しをしてしまうのも,それが原因かもしれない。だから,受験に関係なくても,将来のために政経を勉強してほしい。」

 

実は今,私も同じようなことを考えています。

高校入試においての一番の捨て科目は社会科でしょう。実社会で役立つ度合いも低そうです。事実,後回しにされている方も少なくありません。私も一番大切な科目は国語だと思っていますし,入試が近くなって得点を稼ぐことを考えれば数学と英語がとくに大切になると思っています。生徒や親御さんにも同じことを話しています。

 

ところが,昨今の政治状況を鑑みると,「立憲主義」であるとか「三権分立」,「基本的人権」,…などを余程しっかり教えなければならないなと感じております。

オウムまでは行かなくても,勉強不足で生徒たちが不幸になることは十分に考えられます。

 

では。