こんにちは。
以前の記事で,高校時代に数学の問題集を何周も解いてすごくできるようになったとか,数学をさぼっていたときに廊下で先生から声をかけられたとか,そんなことを書いたと思いますが,そのときの先生が現札幌開成校長の宮田佳幸先生です。
宮田先生に出会わなければ数学の成績がここまで上がらなかったでしょうし,大学も別のところになっていたと思っています。
毎日毎日,ご丁寧に授業のない日にも宿題を出してくださり,1枚1枚丁寧に○付け,添削をしていただいたことは今でも感謝しております。こうした仕事をするようになってわかったことですが,膨大な時間と労力を要したはずです。
宮田先生に関しては,次のようなことを覚えています。
数学のテストが返却されたある日,あまりみんなに答案を見せることはしないタイプのクラスの友達が,珍しく「これでも中間点をもらえた」と見せてくれました。
『△2点』などと採点された答案の解答欄に何が書いてあったかというと…
何と!白紙でした。
友人は途中まで答案を書いたのですが,あきらめてすべて消しゴムで消していました。
その消しゴムで消された「跡」を読み取り,途中まではできていると中間点を与えてくれていたのでした。
白紙なのですから,「×」にするのが「正しい」採点でしょうし,4クラス×45枚も採点をする中で,消した跡を読み取ろうとは普通は思わないでしょう。
そこをあえて読み取って「△」にしたのです。
「何か書けば中間点をもらえるかもしれないから最大限の努力をしなさい」
「これからもがんばってほしい」
「しっかりあなたのことを見ているよ」
などという宮田先生の気持ちがクラスメートには伝わったでしょう。
先生らしい教育的な配慮だったと思っています。
高校を卒業するとき,大学の合格報告に高校を訪れたのですが,宮田先生にはお会いできず,あいさつも何もせずにそのままになっています。
そのことが今でも心残りです。
では。