志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

ファスト映画

こんにちは。

 

映画のダイジェスト版を無許可で作成してインターネット上に公開したとして,逮捕者が出たようです。著作権を侵害しています。

このダイジェスト版をファスト映画というそうで,ご覧になる方が少なくないそうです。

見ていない映画でも,だいだいの筋を知っているので話を合わせられるのだとか。

 

肩ひじ張らずに,正直に見ていないと話すほうが気が楽だと思うのですが,若い方などはとくに同調圧力のようなものを感じて合わせようと見栄をはるのかもしれません。

 

小説だとあらすじだけ知るようなものでしょうか。

高校時代から大学時代にかけて,そこそこの量の文学作品を読んだとは思うのですが,今ではあらすじすら思い出せないものが多いです。

しかし,強烈に印象に残っている作品や何度も読み返した作品の内容はある程度正確に覚えていますね。

 

大学生のラスコーリニコフは自分を天才だと信じ,天才である自分は何をしても許されるのではなかろうかと,独善的な考えを持っていた。

金に困った彼は,ある日,金貸しの老婆を殺害する。しかし同時に皆に愛されている老婆の妹も殺してしまう。また,偶然が重なってこの殺人事件は完全犯罪のような形で遂行された。

事件の捜査は難航するが,刑事はしだいに犯人に迫っていく。またラスコーリニコフは良心の呵責にさいなまれるようになる。彼は娼婦のソーニャとの交流もあって,やがて回心して罪を償うことに決める。

 

罪と罰』のあらすじを書いてみました。

当然ですが,こんなのを読んだところで,何ら身になるものはないでしょう。

ファスト映画もそうした類のものではなかろうかと思うのです。

 

仮にファスト映画1つが10分の長さであれば,ファスト映画を12本見るよりも,1本の映画を見たほうがはるかに得られるものは大きいでしょう。

 

私がかつて読んだ小説も,内容をまったく覚えていない,中には読んだことすら覚えていないものも含めて,今の自分を形作っていると思います。

1つ1つ時間をかけながら作品を堪能していくほうが,人生は豊かになるでしょう。

最近は時間を節約しようとばかりされる方が増えたように思います。それはそれで1つの価値観でしょう。

しかし,自分はそういう生き方は選ばないですね。

 

では。