こんにちは。
将棋は完全な個人競技です。
個人同士が1対1で戦います。
例外的に楽しみとしてリレー将棋(1手ずつリレー形式で交代に指すもの)やペア将棋(ペアが1手ずつ交互に指すもの)が行われることがありますが,真剣勝負の場では必ず1対1の個人競技となります。
ところが,将棋にも団体戦はあります。
一昨年に私が出た北海道社団戦という団体戦だと,5人で1つのチームとなってそれぞれが相手チームの方と対局し,3勝以上するとチームの勝ちとなるルールです。
大学将棋の団体戦などでは7人チームで戦います。
それぞれのチームが相手の出方を読んでオーダーを決めます。
オーダーを交換するまでは誰と対戦することになるかわかりません。
昔出た団体戦で,私は運悪く相手チームのエースの方との対戦になったことがあります。
「自分は負けるだろうから,残り6人で4勝してほしいな」などと考えながら7つの対戦カードを眺めていました。私も他の6人のどなたかとの対局であれば勝機はあるものの,このエースにだけは絶対に勝てないくらいの実力差がありました。
しかしながらチームの勝利をかけた団体戦です。ベストは尽くすわけです。
途中でやはり敗勢となりました。個人の大会であれば投了(負けを認めて将棋を終わらせること)していたでしょう。
しかしあきらめるわけにはいきません。団体戦ですから。負けるにして,チームの士気にも影響するのでなるべくなら早々に負けることは避けるべきです。
それで,粘って粘ってがんばりつづけました。
結果,最後は大逆転で勝つことができたのでした。
団体戦というものは,ときに実力以上のものを発揮させてくれることがあります。
受験も完全な個人戦です。
仲間と一緒に問題を解くとか,チームを組んでそれぞれが別の科目を解くとか,そんなことができるはずがありませんね。
しかし,受験はやはり団体戦としての一面があると思っています。
友だちと一緒にがんばる,同じ会場で一緒に勉強してきた仲間がいるから強い気持ちで戦える,家族や先生のためにも合格しようと勇気が出る,…
などという効果でしょうか。
せっかく勉強をしているのに,友達とおしゃべりしてしまうとか,互いに足を引っ張り合ってはいけませんが,ともに戦う仲間がいることは有形無形にプラスの効果があるはずです。
近くに同じ学校を目指す方がいるのであれば,蹴落とすべきライバルだとは考えず,チームメイトだとお考えになるといいでしょう。
団体戦は思わぬ力を発揮させてくれるはずです。
では。