こんにちは。
土曜日に谷合廣紀四段のことを書いたらアクセス数が増えていました。
私が谷合少年に出会ったのは彼が小学5年生のときで,すでに私よりもずっと強くなっていました。
谷合少年に関してはこんなことを覚えています。
ある日,その日は研修会という強い子どもたちのための練習会のようなものがあったのですが,それが終わったあとにも,谷合少年は道場に来て将棋を指していました。
谷合少年と対局していたのが誰だったのかは覚えていませんが,対局する2人の横でその将棋をWくん(現在はプロ棋士)が眺めていたのを覚えています。
なぜWくんが将棋を指さずに「見る」だけだったかというと,具合が悪かったからだそうです。それでも,将棋が好きだから,勉強をしたいから将棋を見ていたのでしょう。
ところが具合が悪かったWくんが突然嘔吐してしまったのです。
谷合少年は冷静にスタッフにそのことを知らせてくれました。Wくんのことを気遣ってもいました。なんとも大人びていますね。
片付けなければいけないので,私は対局していた2人に「移動して(将棋の)つづきを指してね。」と声をかけ,掃除をはじめました。
谷合少年は何事もなかったように近くの席に移動し,新しい盤に指していた局面をささっと並べ,つづきを指し始めました。強くなると将棋の局面が正確に頭に入っているものです。
歩の枚数がどうだとか揉めなければいいなと心配しいましたが,それは杞憂でした。局面があやふやになるような棋力ではないからです。
2人とも何事もなかったかのように将棋を指し継いでいました。
このときはまだ小学6年生です。落ち着き払った態度に感心しました。
何があっても冷静さを保つこと,これは入試においても大切です。
一度,塾の授業中にビルの火災警報が鳴ったことがありました。結局,これは誤作動だったのですが,生徒たちは落ち着き払って行動をしていました。
大変に立派です。入試本番でも何が起きるかわかりません。
私は,一度,模擬試験のときに筆記用具を忘れたことがあります。急いでコンビニにシャープペンシルと消しゴムを買いに行ったことを覚えています。平常心でテストに臨むことができず,ほとんどの模試でA判定だったのが,このときだけE判定でした。
これではいけないですね。
気持ちの切り替え,冷静さを取り戻すこと,なかなか難しいですが,万が一の事態が起こり得ることを頭の片隅にでも入れておけば,ずいぶんと違うように思います。
では。