こんにちは。
ひねたところがあるせいかも知れませんが,なかなかに面白い作品であっても,国語の教科書に載るとつまらないものに感じられます。
「読まされている」感じがするせいなのかも知れません。
同様に,宿題も「やらされている」感じがします。やはりなかなか楽しめないものですし,苦痛に感じる方も多いでしょう。
少しでも強制されていると,本来の楽しさを感じにくいのだと思います。また,楽しめないのであれば,学習効果も上がりにくいものでしょう。
生涯の中で,もっとも楽しかったと思い出に残っている宿題があります。
あるとき,大学の集中講義で「地理学」を受講したことがあります。その地理学の宿題です。
集中講義というのは,3日間連続で,1限から5限まで同じ講義が開講されるもので,その3日間だけで講義は完結し,単位を取ることができました。
夏休みと冬休みのはじめに開講されていて,他大学の先生をお招きした講座が多く,普段とは違った雰囲気で楽しいものが多かった印象です。他の大学に,同様のものがあるのかどうかは知りませんが,通信制の大学のスクーリングに似ているかも知れません。
地理学の講義では,江戸時代の古地図と現在の街並みを比較し,都市がどのように変化していって,現在の街並みがどのように形成されていったのか読み解いていくような内容でした。
講義の最後に宿題(課題が出されてレポートにまとめて提出し,評価が付きます)が出されます。
江戸時代の古地図を頼りに,東京のある地域を歩いてみて,レポートにまとめるものでした。
どこを歩いたのかは書きませんが,「必ず日中に訪れること」,「一人では行かず,必ず複数人で行くこと」と厳しく注意されました。必ずしも治安のいい地域ではなかったということです。
時は西暦2000年頃でしたが,江戸時代の名残が実に多く見つかります。
また,これは戦後の混乱期の影響ではないかとか,オリンピックの影響ではなかろうかというものが,街並みにも残されています。
丸一日かけて広い範囲を隈なく歩いたのですが,多くの発見があって実に面白いものでした。
それ以来,プラプラと歩いてみることが好きにもなりました。
宿題というものは,このように楽しめるものであるのが理想ですね。
なかなか難しいことは事実ですが。
では。