こんにちは。
「不合格無気力症候群」とでも表現できるような状態のお子さまを何人か見てきました。実際には,どのような言い方が適切なのかわかりませんし,一般に用いられている「用語」があるのかもしれませんが,簡単に言えば,入試で不合格となって自信を失い,挑戦もしたくないし努力もしたくないと,何に対しても無気力になってしまった子どもたちも少なくないということです。しかも数年間引きずります。
とくに,中学受験で失敗して,このような状態になることが多いでしょうか。
「不合格になったのは自分のせいではない。」
「たまたま運が悪かっただけだ。」
ときには具体的に「ママのせいで落ちた」
などと,不合格となった事実を受け入れることができず,人のせいにしたまま引きずってしまいます。
さらには,傷つくのが怖い,もう失敗したくない,再び不合格となって自分の努力や才能が足りないという現実を突きつけられたくない,といったことを濃淡こそあれ感じており,挑戦も努力もしたくないという状態に陥ってしまいます。
高校入試は必ず訪れますので,そこでまた失敗しても,がんばらなかっただけ,別に入りたいとは思っていなかった,などとおかしな逃げ道を用意しようとしていることもあります。つまり落ちた言い訳ができるように勉強をしないししたくもない。
いずれにせよ,こんな状態になってしまっては,本当にお子さまにとっての不幸でしょう。中学受験にはリスクがあるということですし,高倍率で滑り止めも作りにくい公立中高一貫校の入試であれば,なおさらだということです。
受験勉強というものは,子どもたちを大きく成長させます。
全力でがんばった子どもたちは,合格,不合格という結果以上に大きなものを手に入れているでしょう。
仮に不合格となったとしても,手に入れたものが大きく,人間として強くなっていれば,これからの人生も前向きに頑張れるものです。
一方で,中途半端な努力だけして,しかも小学生ですので,どんなに成績が悪くても合格できると錯覚することが多いのですが,そんな子どもたちがいざ不合格となると,はじめに申し上げたように状態になりやすいとは言えるでしょう。
もしも全力で取り組めるような状態にないならば,受験しないという選択肢も現実的でしょうし,勉強の人生を選択する時期ではないと言えるのかもしれません。
では。