志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

親御さんの不安を取り除く

こんにちは。

 

受験を前にした11月頃,具体的に志望校を決めるために面談を行っていきます。

東京の塾で仕事をしていたとき,このようなことがありました。

 

お母さまが,お子さまの高校受験のことを,少し精神的に参ってしまっているのだろうなと感じるほど心配なさっています。定期的に面談は行っていましたので,夏休み前くらいから,このような状態でした。

伺うと,お母さまご自身も,受験では大いに苦労されたらしい。さらに生徒さんは,中学受験では失敗し,公立の中学へと進学して,高校入試で進学校へ入ることを目指していました。

 

お母さまは気が気ではないですし,本当に大丈夫なんですか,先生,この子は合格するのですかと,ことあるごとに聞かれるような状態でした。

 

さて,11月の受験校を決める面談には,お子さまとお父さまのお二人でやってきました。どういう事情かわかりませんが,お父さまがお母さまだと冷静に話ができないと判断なさったのか,もしくはお子さまがお母さまの状態を気にして嫌がったのか,それともその両方か,そんなところでしょう。

 

定期的にお話もしていましたし,成績も問題のない方です。

「都立の○○高校を推薦と一般で,私立はN高校を併願(都立に落ちた場合に行くことを条件に,入試で優遇が受けられます。),S高校を別に受けます。」とお父さまはおっしゃり,私もそれで問題ないですし,全部合格すると思いますとお伝えしました。

 

ただし,1点だけ変更してもらいました。私立はN高校のほうが偏差値が高く,こちらを併願で受けることは妥当な判断なのです。

しかし,N高校の併願優遇は不合格になることもあり,一方で,S高校の併願優遇は絶対に合格する制度でした。お母さまが心配なさるだろうからと,S高校を併願で,N高校を一般で願書を出し,S高校の併願は全員が合格することをお母さまに説明していただくようお願いました。

お母さまとしては,行き先がなくなることだけはないとわかり,ずいぶんと気が楽になったことと思います。

 

果たして,この子は推薦で第一志望の都立高校へと合格し,私立は受けずに早々に進学先が決まったのでした。

いい子でしたし,こういう風にできているのでしょう。

 

ご家庭でどなたかが不安定な状態だと,お子さまも安心して勉強できないものです。

温かなご家庭の雰囲気を維持する,余計にプレッシャーをかけない,といった配慮が,実際にもものすごく大きなものになりえます。

この生徒さんの場合には,お母さまを安心させることが最優先だったわけです。

 

では。