志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

赤字か黒字か

こんにちは。

 

教育虐待という言葉も一般に定着しつつありますが,私の同級生世代には,そんな環境で育ってきた方も少なからずいらっしゃいました。幸か不幸か私の場合には,それでも一定の成果はあげられた方ばかりが周りにいたのですが,むしろそれは少数派だったのかもしれません。

また,現代においても,勉強を過度に強制されていると感じる方に出会うことは稀にあります。

 

さて,どんなこともそうなのですが,何かに時間を費やしたことによって,「得るもの」と「失うもの」とが必ず存在します。

仮に失うものの方が大きいのであれば,そんな努力はしないに越したことはないと思っています。

 

例えば,ものすごく中途半端な気持ちで中学受験に取り組む方もいらっしゃいます。もちろん,得るものもあるのですが,不合格だったときに失うものの大きさは計り知れないほどで,立ち直れなくなったお子さまにも出会ったことがあります。

本気になれないのなら,中学受験をお勧めしない理由はこれです。

 

また,勉強が著しく苦手な方,特定の学習が極端に苦手であったり,また学習障害と診断されていたりする場合ですが,根性論で繰り返し練習すれば,少しは向上するものです。しかし,やってもやってもなかなか身につかず,心には傷を負うかも知れませんし,犠牲にした時間にほかにやるべきことがあったかもしれません。これも,マイナスが大きいですね。

専門家の方に相談して,プラスが残る方法,ご本人に合った方法で無理なく訓練すべきでしょう。

 

勉強を強制することも,ときにマイナスが大きくなります。

嫌々やるために,かけた時間に比べて身につくものが極端に少ないこともあります。

遊ぶ時間,好きなことに費やす時間が削られ,心身の成長が遅れることもあるでしょう。何より,勉強以外の実体験,生活の中で身につける知識というものが,机上の学習にも大きく影響するのに,そうしたものも身につけられないまま,机上の学習だけを進めることにもなるでしょう。本末転倒です。

死んだ魚のような眼をした子どもたちを何人も目にしてきましたが,程度の差こそあれ,勉強を強制されていることが一因と考えられる子がほとんどでした。

こうしたものも,失うものの方が大きいという例でしょう。

 

とくに周囲の大人たちが気を配ってあげる必要があるのでしょうけれど,失うことの方が大きいのであれば,努力させることや,またその努力の方法を見直してあげる必要はあるでしょうね。

 

では。