こんにちは。
合格発表も済み,また多くの講評も出ている中ですが,今年の北海道公立高校入試の問題について,私の感想を書きたいと思います。
① 重箱の隅をつつくような問題が増えた
細かい知識を問い難易度を上げるだけの問いが増えたと感じます。本筋をつく問いではありませんので,失礼ながらセンスがない出題だと思います。
勉強量よりも記憶力で差がつくでしょう。「そういえば授業で先生が言っていたなあ」「こんな問いは見たことがないけれど,確かこういう用語だったなあ」など,何となく覚えていて解けるような類の問いだと感じるものが多かったです。
② 記述などの思考力問題が増えた
これは,記述を増やそう,思考力を問おうという方針が年々強まっていた流れがつづいたものです。思考力もそうですが,問題を正確に読み取る読解力も求められます。とくに学年が低いうちは,国語に力を入れる必要があるでしょう。ふだんから本や新聞を読むことが一番ですが,少なくとも国語がもっとも大切な科目であることは念頭におくべきです。
③ 数学で極端な難問がなくなった
いくつか数学で正答率の低そうな問題がありましたが,正答率10~15%くらいの設問が並んでいて,正答率3%くらいの難問がなくなった印象です。
得意だと満点を取れる,少し苦手だと大きく失点するというつくりの問題になっていたと感じます。
今年の数学の得点分布は「台形」のような形になると予想します。とくに上位校では,数学で大きく差がついた可能性があります。
④ 全体的に難しい
平均点は昨年よりも下がるでしょう。また社会と理科の平均点は30点台になると予想します。上位校の合格最低点予想もかなり低く,札幌南でも8割未満で合格,偏差値60程度の高校では7割,偏差値50程度の高校では5割で合格していると予想されます。
以上をまとめると
・問題を難しくして上位陣で差がつくようにして,上位校での選抜に重きを置いている
(たぶん内申がインフレして上位校の選抜では機能していないからでしょう。一方で,中堅以下の学校では内申がものをいう入試になりました。)
・読解力,思考力,記憶力が高い,つまり地頭のよい生徒さんを上位校に入れたい
・数学が得意な生徒さんがほしい
そんな傾向だと感じました。
進学校での国立大学合格者を増やしたいという思惑があるのかもしれません。
では。