志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

札幌開成中の進学実績はどうなるか?

こんにちは。
 
昨日のつづきです。
昨日の高校別の進学実績を再び載せます。
 
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札幌市に開設された公立中高一貫校札幌開成中ですが,この学校が今後どのようになっていくか,注目されている方も多いと思います。もっとも注目している点は,大学の進学実績がどのようになるか,であるかと思います。
2019年現在で,一貫校になってからの第1期生が高校2年生であり,中高一貫校になってからの卒業生は輩出していません。表の合格実績は,高校から入学した生徒たちのものであり,一貫校の実績とは分けて考えたほうがよいでしょう。(現在では高校からの募集は停止しています。)
果たして,一期生が大学受験をする2021年にはどのような実績を出すのでしょうか?
 
参考になるのが,他の都府県の公立中高一貫校の実績であると思います。
そこで,東京都の学校を取り上げてみて,表にまとめました。
 
表で「日比谷」から「立川」までの7校が東京都の進学指導重点校といって,高校入試で入る都立の進学校です。入試問題も学校独自で作成しており,偏差値でみても最高レベルの学校です。
「小石川」から「九段」までが,都内に11校ある公立の中高一貫校です。九段だけが区立,他は都立の学校になります。
都内の公立中高一貫校と高校入試から入る公立高校を比べることで,札幌にある高校入試から入る進学校「東西南北旭丘」と比較したときの中高一貫札幌開成の合格実績が見えてくるかもしれません。
ちなみに,中高一貫校の定員,卒業生数は,他の高校の半分程度ですので,合格者を見るときには注意が必要です。
 
都内の中高一貫校だと,小石川がすばらしい進学実績です。2016年に14名の東大合格者を出していこう,4年連続で2桁の合格者を出しています。卒業生が少ないこと,現役合格率が高いことを加味すると,日比谷などの都立トップ校にも劣らない,もしくはそれ以上の進学校であるかもしれません。ほかに,都立武蔵,桜修館の進学実績もすばらしく,進学指導が軌道に乗っているといえるでしょう。
一方で,失礼ながら申し上げますが,富士の難関4大学合格者4名,大泉の東大0名など,進学実績が低迷しているかな,という中高一貫校もあります。九段,南多摩,白鷗などもそうでしょう。早慶の合格者の少なさが,上位層の薄さを象徴しているようにも思います。
学力検査ではなく「適性検査」によって入学者を選抜するため,公立の中高一貫校では,どうしても学校内で学力層に幅ができてしまいがちのようです。
ものすごくできる生徒が一定数はいるものの,学校全体で見たときに,学力のボトムアップが難しいという課題があるようです。進学実績を上げている公立中高一貫校は,年々受検者のレベルも上がり,また日々の指導の成果によって,こうした課題をある程度はクリアした学校でしょう。ただ,時間がかかったことも事実で,たとえば,小石川は2006年から一貫校となった学校です。当時から,中高一貫校の中では最高の入試難易度でした。逆にもっとも新しい都立中高一貫校は,2010年に一貫校になった富士,三鷹南多摩,大泉の4校です。進学実績ではまだまだ苦戦していることがわかりますね。
 
最後に,札幌開成について考えてみましょう。
入学者の選抜において,学力検査だけではなく,抽選やグループ活動が取り入れられています。学力層の幅は,もしかしたら都内の学校よりも大きいかもしれません。ただ,ものすごくできる生徒が一定数いることは事実でしょう。あとは,学校の指導によって,生徒たちがどのように成長していくか,という点にかかっていると思うのですが,このあたりを書くのは申し訳ありませんが憚られます。
私の私見でこうしたデリケートな問題を不特定多数の方に向けて書くのは関係する方々にご迷惑をおかけすることにもなるでしょう。
学校説明会なども開かれますので,開成中にご興味がおありの方は,ご自身の目で見て判断されるのがよいかと思います。
受検の相談などがございましたらいつでも時間を作りますのでお申し付けください。
 
では。
 
 
【2019/8/26追記】
この記事へのアクセスが増えているので追記します。
私が何を言いたいかはお察しくださいとしか申し上げられませんが,こちらの記事もあわせてお読みください。
 
「バランスよく学ぶ」