こんにちは。
少し古い資料ですが,今年の7月に,今春に行われた北海道の公立高校入試の報告書が公開されています。
平成31年(2019年)3月実施 公立高等学校入学者選抜状況報告書
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kki/H31jyoukyouhoukokusyo.htm
各塾の先生方などが,内容を精査して指導に役立てていることと思います。
受験生のみなさんが注目して読むようなものではないのですが,2点ほど,内容について触れたいと思います。
最初に「学力検査検査問題等研究協議会における主な意見」という項目です。
この中で,
「学校裁量問題では、3教科とも、受検者の力を測る上で、内容や難易度が適切であった。引き続き、思考力・判断力・表現力等を問う問題を出題してほしい。」
「(国語では)記述量や難易度も適切であった。」
「(社会では)問題量、難易度も適切であった。」
「(英語では)問題の難易度も適切であった。」
という記述があり,ここ数年,難化傾向がつづいたり,一部の科目は,おそらく昨年の出題ミスの影響もあって今年は明らかに易化したり,難易度が安定していなかったのですが,今年程度の難易度と平均点くらいで,今後は安定していくように思います。
ただし,同じ資料の中で,
「(数学では)今後は、思考力・判断力・表現力等を評価できる問題の出題について、一層充実させるよう検討してほしい。」
「(理科では)今後は、科学的な見方や考え方を問う問題の工夫について検討してほしい。」
という記述があります。
数学と理科については,ひねった問題が出題されたり,その影響で難易度が上がったりすることは考えられるでしょう。
もう1点,偏差値の高くない学校では定員割れすることも多く,そうした学校を目指す方の中には油断している方もいらっしゃるかもしれませんので,誤解が生じないようにデータを示したいと思います。
札幌市内の定員割れした学校の入試結果です。
(推薦合格者は除いています)
学校名 募集人員 受検者数 合格者数 不合格者数(受検者数-合格者数)
札幌丘珠 320 276 273 3
札幌南陵 200 143 133 10
札幌東豊 280 221 215 6
あすかぜ 320 283 277 6
札幌白陵 160 150 142 8
啓北商業 202 200 196 4
と,定員(募集人員)に受検者が満たない場合でも,一定の成績を取らないと不合格になるようです。
個人的には,こうした不合格を出すことは,子どもたちの就学機会を奪うことにもなりますので,問題があるのではないかと思います。全員を合格にすべきだと思うのですが,このあたりは賛否両論があるでしょう。
ただ,仮に受検する高校が定員割れだとしても,頑張らないといけないということは事実です。
では。