こんにちは。
近所の中学校では,保健体育の定期テストに「最近のスポーツニュース」から少しだけ出題があります。
身近なスポーツの話題にも興味や関心をもってほしいという意図なのでしょう。なかなかよい取り組みであると思います。好きでなければ運動もできるようになりませんからね。ただ,とくにスポーツなど見ないような生徒にとっては不満もあることは事実でしょう。
大相撲の徳勝龍関と箱根駅伝の青山学院大学はテストに出るだろうな,などと考え,私もスポーツニュースをまとめた簡単なプリントを作成しました。
さて,生徒たちは定期テストを解けるのでしょうか。
実は,私が通っていた中学校でも同じようなことをしていました。保健体育のテストにスポーツニュースからの出題があったのです。
当時,こんな問題が出たことを覚えています。
「1992年のバルセロナオリンピックで,ドリームチームを結成し,男子バスケットボールで優勝した国はどこでしょう。」というものです。
マイケル・ジョーダン選手などのプロのスター選手たちがオリンピックに出場し,当時は随分と話題になっていました。彼らが使用しているモデルのバスケットシューズが人気となり,「かつあげ」が発生するなど社会問題にもなりました。
先ほどの問題の答えは「アメリカ合衆国」ですね。
この問題,学年で1人だけが不正解だったと体育の先生から伺いました。(当時は男女で体育は別でしたので,男子の中だけです。)それでこの出題も覚えているわけです。
不正解だったのは私です。私は「リトアニア」と答案に書きました。バスケットボールにはまったく興味がなかったので,ドリームチームであるとかマイケル・ジョーダン選手であるとか,そういうものをよく知らなかったのです。
ちなみに,リトアニアは銅メダルでした。当時,リトアニアはソ連から独立したばかりでした。リトアニアなどのバルト三国は,それぞれ1つの独立国としてオリンピックに参加しましたが,他の旧ソ連の12の共和国はEUNという統一チームでの出場でした。
バスケットボールの3位決定戦は,リトアニアとEUNの対戦となりました。独立したばかりのリトアニアが旧ソ連に勝って銅メダルというのは感動的でした。小さく報道もされていたと思います。政治に関心があった私は,たしかリトアニアが「色」はわからないけれどメダルを取ったはずだと,それを答案に書いたのでした。
勉強ができる子でも,関心がないこと,授業で教わっていないことについては,1人だけ不正解とか,そんなことも起こるわけです。
実は,同じようなことが国語でも理科でも社会でも…すべての科目で起きています。
そもそも興味・関心がない子と,何かが好きな子とを比べれば,もともともっている基礎知識に大きな差があります。授業は同じものを受けますし,テストまでに勉強するために使える時間の長さも同じですが,スタートラインが大きく異なっているわけです。
その差は勉強で埋められることもありますが,本当のトップになるためには,「好きであること」,だから興味も関心もあるという状態でなければ難しいかもしれません。
もしも勉強が好きではないならば,嫌いなりにそこそこがんばることもできますし,他の好きなことに取り組んでもいいかもしれません。全員が勉強に人生をかける必要もないでしょう。好きになるように努力してみる,勉強の中で好きな科目だけ懸命にがんばってみる,というのもいいでしょう。できるようになれば,もっともっと好きになって,他の科目も好きになれるかもしれません。
それは人生の問題ですね。
では。