こんにちは。
半分は作り話なのですが,こんなことがありました。
クリスマスが近くなり,ある人とお話をしていました。
「小さい頃って,サンタクロースを信じていたよね。」
「そうだね。自分は結構大きくなるまで信じていたよ。」
などと話していると…
「私ねぇ,サンタさんも信じていたけど,トナカイも本当にいるって信じていたんだよ。」と。
笑い話なので生徒たちに面白おかしく話すことがあります。
あるとき,この話をすると,たいていは笑ってくれるのですが,一人だけきょとんとして,何が起こったのかわからないような表情の生徒がいました。
どうやら,この生徒もトナカイが実在することを知らず,架空の動物だと思っていたようです。
トナカイを知らなかったわけですから,その他のさまざまなことについても,あまり知識がない可能性が高いです。ふつうに生きていれば,自然とトナカイという動物を知ることになると思うのですが,それを知らなかった。いろいろなことに関心を持たずに生活をしてきた可能性はあります。
たとえば,おたまじゃくしやカエルの卵を見たことがある子どもとそうでない子がいます。生物の勉強で前提となる知識の部分ですでに大きく差がついています。
さまざまなテレビ番組を見て,いろいろな国の名前や簡単な国の様子を知っている子もいます。地理の勉強が楽しくわかりやすく進むはずです。
古文では昔話が出題されることがあります。「こぶとり爺さん」の話を,「小太りなお爺さん」と勘違いするなど,昔話を知らない子も増えました。話を知っている子とそうでない子では,問題を解くときに大きな差があるでしょう。
つまり,机の上の勉強だけでは追い付けないことがあるのです。
国語であれば,机の上の勉強に加えて,ふだんからどれだけ本を読んでいるか,活字に触れているか,難しい言葉に触れて,どれだけ語彙を増やせているか,その総合力が成績に反映されるように思います。
理科であれば,おたまじゃくしの例のような理科に関する実体験がどれだけあるか,それについてどれだけ考えたか,実体験と机上の勉強が結びつけられるか,これらがあった上での机の上の勉強であって,やはりこの総合力が成績に反映されるでしょう。
昨日,10代20代の若者の多くが,ものすごく長い時間をゲームに費やしているというニュースを読みました。これだと勉強はうまくいかないように思います。
世の中のこと,身の周りのことに興味を持ち,いろいろなことに触れていくこと,これは小さいころだと多くは遊びになるのでしょうが,そうした体験が必要で,これがないと勉強も伸びていかないように思います。
では。