志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

外発的動機付け

こんにちは。

 

中学,高校時代のことです。

姉はたくさんお小遣いが欲しかったのでしょう。テストで「学年〇〇番」の成績を取ったら,ボーナスで「〇〇円」というように,両親と「契約」をして勉強をしていました。

姉は成績が良かったので,中学では学年10番以内,高校では学年20番くらいの成績を取っていたかと思いますが,テストのたびに,毎回3,000円とか5,000円とか,両親から「くすねていた」と思います。

 

私も姉もほとんど学習塾や予備校には通っていませんでした。とくに高校では毎月のようにテストがあったのですが,塾代を考えると,安いものであったのかもしれません。

 

似たような話は生徒からも聞くことがあります。成績とお小遣いの金額を連動させている,もしくは良い成績だとボーナスが支給されるというものです。

多くはうまくいっていないように思います。最初だけはがんばっても,だんだんとあきらめような気持ちになってきて,どうでもよくなってしまうとおっしゃっていた生徒もいました。

 

高校に合格したら「〇〇を買ってあげる」とか,下世話な話ですが「〇〇円(子どもにとってはかなりの大金です)」などと約束しているという話も耳にすることがあります。

 

いわゆる外発的動機付けですね。

これは長い目で見ると,うまくいかないケースが多いと思います。自分自身の内部から出てきたもの,内発的動機付けができないと,持続的に努力をつづけることは難しいでしょう。

高校に合格したら〇〇という場合でも,果たしてこの方は高校入学後にも勉強を頑張れるでしょうか。疑問符がつきますね。

 

しかし,なかなか内発的動機付けを行うことは難しいです。意図的に行うものではなく,自然と醸成されていくものであるから内発的なわけですね。

周囲の大人としては,それが育っていくのを信じて見守っていくしかないわけです。

 

さて,我が家のボーナス制のお小遣いですが,私は中学では学年20番くらいだったでしょうか。ボーナスはもらえませんでした。運よく姉と同じ高校に行くのですが,高校では姉よりも成績がよく,2年生の途中からは1番とか2番とかばかりだったと思います。

姉が交わした「契約」にしたがえは,毎回万単位のお金をもらえることになっていたと思います。

しかし,あげようとする両親をさえぎって,断っていたことを覚えています。自分がやりたいから勉強をしているだけだと。完全に内発的動機付けができていたと,今ではそう思っています。

「お金がほしいからがんばるぞ」と,そんな気持ちに一度でもなっていたとしたら,ここまで勉強をがんばることもなかったでしょうし,内発的動機付けも育たなかったと思いますし,成績も十分には上がらなかったでしょう。今ではそう思っています。

 

では。