志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

宿題は必要か?

こんにちは。

 

一つの考え方で,どれが正解であると決められない問題ではあるでしょう。

東京都内のある中学校では宿題を廃止したことで話題となっています。

将棋の藤井総太七段は,中学生のときに,宿題が必要な理由がわからないと,学校の先生と議論をして,彼だけ宿題を免除されることになったそうです。

先生(学校の先生,塾の先生を問わず)の中にも,たくさんの宿題を出す先生と,逆にあまり宿題を出さない先生の両タイプがいらっしゃいます。

私は後者のほうです。ある小6の受験クラスで,やりたい人は勝手にやりなさいと,宿題を廃止したこともあります。この話は以前にどこかで書いたと思います。もちろん,会社のルールからすればアウトですが,競い合うようにして子どもたちは勉強をしてくださいましたし,子どもたちから提出されたもの(主に過去問の答案)はすべて丁寧に添削して返しました。

 

何が言いたいかというと,画一的に宿題を出すのでは,子どもたちの学力の伸びに限界があるのではないかということと,宿題の在り方についても見直す時期に差し掛かっているのではないかということです。

 

そもそも,これが藤井七段の疑問点だったそうですが,一人ひとりに必要な学習内容はすべて異なっているはずです。同じ宿題を出すことが,全員にとってベストな選択であるはずはないですね。

 

また,これもどこかで書いたと思いますが,高校に合格した春休みに,高校から出された宿題の問題集を3周解いた子がいました。1度解いただけでは不十分だと,理解が足りていないと感じて,完全にわかるまで練習をしたわけです。高校からの宿題がある意味では不足していたとも言えるでしょう。また,この子も優秀な学生であるわけです。もしかしたら,高校から出された宿題は,入学予定の子どもたち全員にとって不足していたのかもしれません。

 

「けテぶれ学習法」というものがちょっとした話題になっています。

「けいかく」→「テスト」→「ぶんせき」→「れんしゅう」

の頭文字をとったものです。

子どもたち自身に学習内容(つまりは宿題)を「けいかく」させ,「テスト」を行って到達度を確認し,その結果を「ぶんせき」させ,できていなかったところを「れんしゅう」させる,というサイクルを繰り返すものだそうです。

 

勉強が得意な子というのは,ほぼ例外なく自己マネジメント能力が高いです。自己分析を行って,足りないところを補う勉強を組み立てたり,合格に向けてもっとも効率がよい学習プランを自然と組み立てたりしているものです。

こうした能力も養成されるでしょうし,何より自主性が育まれるのがこの方法の利点であると思います。

 

もちろん,大量に宿題を出し,半ば強制的にでも量をこなさせるほうが大切であるとお考えの方もいらっしゃるでしょう。

そこは難しい問題です。答はありません。

ただ,今後数年間で,宿題に関する考え方が大きく転換していく可能性はあると思います。今はその大きな岐路に差し掛かっているように感じます。

 

では。