こんにちは。
将棋界にまた社会的な注目を集めるヒロインが誕生するかもしれません。
西山朋佳さんという方が女性初のプロ棋士になるかもしれません。
将棋にも女性のプロはいるではないかと思われる方も多いでしょう。簡単に仕組みを説明すると,現在の女性の棋士は「女流棋士」というもので,「プロ棋士」とは異なる存在です。「女流棋士」になるための方法は「プロ棋士」になるのとはちがっています。
男性の棋士たちは,奨励会という修行の場を通過して四段になった方たちなのですが,西山さんは,3月に奨励会を卒業して四段になる可能性が出てきました。達成すれば快挙です。陰ながら応援をしております。
実は,この記事の中で,谷合さんという方がプロ棋士になる権利を得たことも書かれています。プロになるかどうかは別問題ではあるのですが,当然,プロになることと思います。
以前に,渡辺和史四段の記事を書いたことがありますが,渡辺くんと仲が良く,一緒に将棋を指していたのが谷合少年でした。谷合くんは渡辺くんよりも1学年上で,当時はすでに私よりもはるかに強くなっていました。
この谷合くんの経歴がすごいです。
東京大学を卒業され,現在は東大の大学院に在籍されています。院生でありながら,専門書を1冊出版なさっています。
将棋をやりながら勉強でもすばらしい成果を出さているわけで,まさに大天才であると思います。
将棋連盟でアルバイトをしていた頃,たくさんの才能ある少年・少女たちを見てきました。絶対にプロになるだろうなと思っていたのは,佐々木勇気七段と高見泰地七段です。高見七段はタイトルも獲得されました。
逆にプロはなるのは厳しいのではないかと思っていたのに,プロになった方もいらっしゃいます。
実は,谷合くんも絶対にプロになるだろうなと思っていました。ところが,同年代の中では最後にプロになることになるでしょう。奨励会には年齢制限があります。谷合くんは年齢制限ギリギリでプロになる権利を得ました。したがって,おそらく同年代で最後なのです。
プロになった多くの方は,その才能を将棋一点にのみ集中させたことでしょう。対して,谷合くんは二兎を追っていたのでしょう。そのちがいが,将棋の実力の差に表れているのかもしれません。
高みを目指すのであれば,才能を一点に集中させないと難しいのかもしれません。
しかし,現在の学校教育では,勉強以外も部活動や課外活動,学校行事など,多様なことに取り組む傾向があります。社会性や国際性などを養う上では大切なことでしょう。
どちらがいいのか,それは生き方の問題ですから答などありません。
ただし,二兎を追った谷合くんは人一倍努力をなさったはずです。睡眠時間を削るような体力もあったことでしょう。精神力も相当なものであると思います。
私には到底真似できそうにありません。
受験勉強においても,他の活動と両立なさっている方はいらっしゃいます。しかし,相当な覚悟が必要なことは確かでしょう。
では。