志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

大道詰将棋

こんにちは。

 

かつて大道詰将棋というものがあったそうです。

屋台を出すような感じで,街角で将棋の大盤を広げて詰将棋を出題します。詰将棋が解けるとお金なり景品なりをもらえたそうです。ところが,この詰将棋が巧妙なひっかけ問題となっており,失敗した場合にはお金を払わなければならないそうです。

簡単に詰んだと思いきや,大道棋士が動かす玉側に思いもよらぬ受け(守り)の手があり,まんまとお金をせしめ取られるという寸法でしょう。

 

いつ頃まで存在したのかはわかりませんが,かなり昔に滅んでしまったのでしょう。

父が若い頃,狸小路で見たことがあると話していましたので,1970年代頃まではあったのだと思います。

 

今でもあれば面白いと思うのですが,商売としては成立しないでしょう。スマホが普及していますので,将棋のアプリにかければ一瞬にして正解がわかってしまいます。

 

大道詰将棋が消えてしまった理由ですが,一つにはみんながそれに慣れてしまったからでしょう。たぶん詰まないとわかっているから,手を出す人が減っていくでしょうし,本当に自信のある相当に強い人が念入りに詰みを確認してから挑戦するようにもなったでしょう。

儲からなくなりますね。

もちろん将棋人口が減ったことも理由の一つでしょう。

 

お祭りの屋台だと,くじに当たりが入っていないとか,かたぬきでは抜いたお客さんに難癖をつけるとか,そうした「イカサマ」が利きますが,大道詰将棋ではそんなことはできません。

詰むか詰まないか,純粋にそれがあるだけです。唯一イカサマができるとすれば,詰まない問題を出題することでしょう。

しかし,それも相当に強い人から詰まないと指摘され,大道棋士が詰ませられなければイカサマがばれてしまいます。

 

子ども頃,今と比べれば,物価の上昇を差し引いてもくじ引きは安かったように思います。1回100円でした。今だと300円くらいでしょうか?物価は3倍にも上がっていないのです。

そこは当たりが入っていないからこその価格だったのでしょう。

 

つまり大道詰将棋に関しては,イカサマができないことが,商売が成り立たなくなった大きな原因ではないかと思うのです。世の中は難しいものですね。

 

では。