こんにちは。
昔,小学6年生を教えていたときのことです。
小6の秋から難関校を目指すための選抜クラスがスタートする予定になっていました。
選抜クラスですので,当然ですが,成績によって入れる子と入れない子がいます。対象の難関校を目指しているのに,成績が届いていなくて選抜クラスに入れない子も少なくありませんでした。
それは塾側からのメッセージのようなところがありました。
「もう9月です。この時期に一定の成績が取れていないのですから,志望校を考え直してください。」
しかし,諦められない子,合格は難しくても挑戦したい子もいらっしゃいます。というより,それが自然な感情でしょう。
春の段階から,選抜クラスのことはお話していました。
9月までに一定の成績を取ることが第一関門です。そこを短期的には目指してがんばりましょうと。ここをクリアできれば合格はかなり有望ですが,できなかった場合には志望校の再考も視野に入れてくださいと。
それでも,稀にクレームになるケースはありましたし,どうしても選抜クラスに入れてほしいとお願いされることもありました。
こうしたとき,普通は親御さんから連絡が入るものです。生徒さんの状況などを考慮しながら,どうしてあげるのが一番子どもにとってよいのか考えて対応していました。
過去に1人だけ,直接私のところにお願いに来た子がいました。
「先生,選抜クラスに入れてください」とキラキラ目を輝かせながら,はっきりとした声で姿勢を正して言いました。
こうやって自分でお願いできるというのは本当に立派ですね。
選抜クラスでも頑張れるだろうと,少し成績は足りなかったのですが入れてあげることにしました。
主体的に自分で取り組める子,とくに中学入試では何でもかんでも親任せにしない子は,当然ですが成績も伸びていきます。
この子の入試は残念な結果に終わったのですが,その後の人生は幸せなものとなったことでしょう。
では。