こんにちは。
北海道新聞さんを購読しております。
将棋のタイトル戦のスポンサーにもなってくださってますし,数名の知人も勤めていらっしゃいます。入試情報についても,北海道新聞さんで知ることも多く,ブログの記事にリンクを貼ったことも多々あります。
信頼している新聞社さんであり,批判したいわけではありませんので,誤解のないように申し上げておきます。
先日,北海道新聞さん将棋の記事が載りました。
リンク「北海道新聞 札幌出身・箭子さんの記事」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/705335
おそらく,ほとんど将棋をご存知ない方が記事を執筆され,さらに校正などを担当した方の中にも,将棋にお詳しい方がいらっしゃらなかったのだと思います。
記事の内容が,一部とんでもないことになっています。
将棋を「打つ」という誤植がたくさんあります。ここまでは,大目に見て許容範囲でしょう。
ところが,箭子さんの写真の下のテロップにこうあります。
「詰め将棋で戦術を研究」する箭子さんとのご説明。
これを読み,頭が大混乱しました。一瞬,これくらいの達人になると,詰将棋を戦術研究に用いるのか,とおかしな理屈をそのまま嚥下しそうになりました。
詰め将棋とは,数学でいえば計算練習のようなものです。将棋というゲームは,最後は相手の王様をどうやって捕まえるかの勝負になります。王様を捕まえるパズルのような練習問題が詰将棋です。終盤の速く正確な演算力を鍛えるものです。
ただの終盤のパズルですから,戦術の要素など微塵もありません。
さらに載っているお写真も,よく見ると詰将棋には見えません。おそらく「棋譜並べ」で戦術の研究というのが正しいのでしょう。
勉強にたとえるなら
「過去問を解いて東大二次試験の対策をする」という記述を,
「計算練習をして東大二次試験の対策をする」と,誤植してしまったような感じでしょう。
ほとんど詳しくないことが話題にのぼることがありますね。聞きかじった知識で,何となくお話しようとすると,今の将棋の例のように,知らないうちにとんでもなくトンチンカンな発言をしてしまうことはあるのでしょう。さらに,自分ではそのまま気がつかないわけですから,なおさらたちが悪いですね。しかも,人によっては得意になって語っていたりもします。
徒然草か何かにも似たような教訓があったかと思いますが,やはり,詳しくないことについては,出しゃばって話さないようにすることが大切ですね。沈黙は金,雄弁は銀です。
では。