こんにちは。
こうして日々,ブログを書いているわけですが,自分自身の気持ちを正確に文字で表して伝えられているかというと,必ずしもそうではありません。
微妙にニュアンス,心のちょっとした陰影のような部分までは,どう表現していいのかわからないことが少なくありません。
さまざまな言葉,表現を探してみるのですが,やはり完全には言い表せず,のどに骨が引っかかったような気分になります。
先日,ある小説で次の表現を目にしました。
「そのとき,むしょうに,ぼくは現実的でないもの,遠い世界のもの,心ときめくもの,しかも嘘偽りのないものの中にひたり込んで行きたくなったのだった。」
昨日記事に書いたことですが,講義が終わってからすぐに図書館に直行し,ゴーゴリ全集を探したときの私が,まさにこんな気持ちだったでしょう。
さすが芥川賞作家さんは,正確に美しく言葉を紡ぎ出すものです。
現代においては,文学は不人気だと感じます。純文学だとなおさらでしょう。しかし,こうした美しい表現に触れられるだけでも,文学の価値は限りなく高いものだと実感させられるのです。
では。