こんにちは。
塾を選ぶときに参考になるのが，合格実績だと思います。
しかし，そんなにあてにはならないですよ，というお話をします。
市進学院の2017年と2018年の都立高校の合格実績を比較してみます。
2017年の実績は公式ホームページにすでに掲載されていないようでしたので，
こちら↓からひろっています。
2018 2017 増減
日比谷 11 56 -45
西 20 76 -56
国立 12 48 -36
戸山 8 58 -50
と，まあ，惨憺たるありさまです。
2018年に，何があったのか？
市進の合格実績掲載のホームページの下に，こんな注意書きがあります。
「※Ｚ会進学教室との共催講座については2016年度末をもって終了しております。」
市進のホームぺージ
なかなか難しい問題なので，あとは察してください，
という風にしか書けませんが，
・2016年度（2017年の受験生）まではZ会との共催講座があった。
・この共催講座の合格者を2017年まではカウントしていたが，2018年にはカウントできなくなった。
・この差が合格者数の差となっている。
・もしも，共催講座を市進の生徒の多くも受けていたなら，2018年は市進の生徒は市進独自で入試対策をするはずなので，こんなに合格実績が減るはずがない。
・Z会の生徒ばかりが共催講座を受けていたのを，市進の合格実績にもカウントしていたとしたら説明がつくが，実際はどうなのかわからない。
ほかにも，都立の中高一貫校に大量に合格者を出している塾にも，
合格実績をどのようにカウントしているのか実態がつかめないという，黒い噂があったりします。
数値，とくに「合格者」については，
操作してごまかしやすい面があります。
「合格率」であるとか，塾の評判，口コミなどを基準に，
見せかけだけの実績にごまかされないようにしていただくのが良いかと思います。
ごめんなさい，例として市進さんをあげましたが，
もちろん，市進さんにも良い先生，良い教室がたくさんありますよ。
では。
【2019年2月4日追記】
この記事へのアクセスが増えているのでいくつか追記します。
2018年のZ会進学教室の合格者数を載せます。
日比谷 67名
西 75名
国立 46名
戸山 77名
です。
市進さんの合格者の減少分と，（ ）内はZ会進学教室の合格者に対する減少分の割合ですが，
日比谷 -45（67%）
西 -56（75%）
国立 -36（78%）
戸山 -50（-65%）
と，奇妙にZ会進学教室の合格者の70%前後の人数が減っていることも指摘しておきます。
Z会進学教室の生徒の中にも，市進との共催講座（Z会進学教室では志望校別の講座として開催）を受講しない生徒が当然ですが一定割合いるわけですね。「共催」と銘打ってはいますが，実態はどうであったか，というのはお察しください。
それで，これを書いてしまって，市進さんには大変申し訳なく思っております。
また，ご要望があれば削除することも検討します。
ただ，どういった経緯にせよ，今では正しい合格実績を載せていらっしゃることは間違いがありませんので，市進さんは良心的だと思います。
また，市進さんのホームページに，
「在籍期間が継続的に3か月未満または50時間未満の合格者も一切含みません」と明記されています。
また，最終学年に在籍していない生徒なども実績に含まないとも書かれています。
つまり，中3で在籍した生徒（おそらく受験した時点まで在籍した生徒）で，さらに3か月以上前から通っていた生徒（その中でも授業時間が50時間未満だと除外しています。3か月通っても，オプションのみの受講や個別指導だと50時間に達しないことがあるかと思います。）しか，合格実績にカウントしていないということです。
こういう厳しいルールの下で，厳正に合格者を公表していらっしゃるということです。
なぜ，わざわざ書くかというと，程度の差こそあれ，無秩序に合格者にカウントしている塾も，どうやらあるみたいだからです。
詳しくは書けませんが，ひどいところだと，模擬試験を受けたのみで合格実績にカウントしていたり，受験直前に1日だけの講座を開いて無理矢理に合格者を稼いだり，当然ですが，そうした生徒たちを合格実績に算入するためには合否確認が必要なため，合格発表があると，手当たり次第に模試の受験者，イベントの参加者などに電話をかけたりと，そんなことをしている塾もあるそうです。
他には，系列の他県の塾の教室から，受験日が重ならない難関校を受験するために優秀な生徒を派遣してもらって合格実績をかさ上げするようなところもあるようです。
さらに，大手さんの場合には，教室ごとに指導や合格実績のレベルに大きな差がある場合も少なくありません。繰り返しになりますが，見せかけの実績にまどわされないように慎重に塾を選ばれるとよいと思います。
