志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

大人にする

こんにちは。

勉強ができる子は「大人」であることが多いです。
前にお手伝いについて書きましたが,「大人」にするのがその目的です。
「勉強ができる大人っぽい子」なのではなく,
人間として「大人」になっていて,自分のこと,家のこと,友達関係のこと,…と何でもできるくらい成熟していて,その1つとして勉強「も」できる,というのが正しい理解でしょう。
「1人の人間」として成長させるというのはすごく大切な視点です。

小学生の公立中高一貫校の指導をしていた頃の話です。
過去問を宿題にしていました。
時間を計って過去問を解いてもらって,それを丁寧に〇つけ添削をして返却していました。
当然,宿題をやってこない子が出てきます。

そこでどうするか?
宿題を出さない子には,一切何も言いません。

ただ,やる子は返却された答案を復習して,解きなおして再提出したり,
宿題になっていない過去問も解いて提出したりします。
そういうクラスメイトの姿を見て,子どもたちが自分から宿題を出すようになるのを待ちます。

宿題を忘れてくる子もいます。
「忘れる」と書きましたが,「忘れる」のですからしっかり勉強をしている子です。
はじめは,そういうときに私に謝りに来ます。

「先生,ごめんなさい,宿題を忘れました。」
「別に謝る必要はないよ。〇つけがすごく大変なんだよ。君が宿題を出さないと,ぼくは答案が減るからすごくラッキーなんだよ。むしろ出さないでくれてありがとうって言いたいくらいだよ。」
これくらいまで言うことが多いです。

ただ,これは生徒との信頼関係や距離感の問題もあるので,相当にしっかりとした信頼関係がないと生徒を傷つけますし,教師の立場も危うくなります。1つには,ものすごく丁寧に〇つけと添削をしていて,生徒にもそれが極めて役立つものだと伝わっている必要があるでしょう。1枚の答案に20分強をかけることもあります。

「誰が一番損をしているのかな?」と問いかけて終わりにすることが多いですね。

それ以降は,
「先生,宿題を忘れたので,次に来る〇日に出したいです。見てもらえますか?」
「先日出さなかった宿題です。遅れましたが見てください。」
となりますね。

言うのは簡単です。
ただ,自分で気がつくまで待つことが,もちろん苦しいですが,子どもたちを大人にし,よりよい方向へと導いてくれると信じています。

では。