志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

自信と誇り

こんにちは。

3年ほど前のことです。
渋谷の東急の食品売り場でした。このような場面を目撃しました。

あるお店に1人のお客様がいらっしゃいました。
贈答用に買うような高級なお菓子を売っているお店です。
そのお客様が,「これこれこういう商品が欲しいのだけれど,このお店の有名な商品だったと思う。」というようなことを店員さんに告げていました。
しかし,その商品は実は他社さん(こちらも高級なお菓子を扱うお店です)のものだったようです。その店員さんですが,どうしたかというと…
平然と,そしていつもお客様と接するのとまったく変わらない様子で,とても丁寧に,
「それは〇〇さんという別のお店の商品です。△△という商品名ですよ。ここのデパートにはありませんので,××デパートに行かれるのが一番近いですよ。××の場所はご存知ですか。」と応対されていました。

自社の商品に自信と誇りがあるからこそできる素晴らしい対応だと感じました。
お客様のことを第一に考えていることも好感が持てますね。
「これはうちでは扱っていないですね。同じようなもので,このようなものならございますが,いかがですか?」と,自社の商品を勧めることもできたはずです。
ただ,それは長い目で見ると,お客様の信頼を失って,将来の大きな損失につながる可能性もありますね。

学習塾でも似たようなことがたまにあります。
塾がたくさんありますので,実際に面談や体験授業を予約した塾と違うところに来てしまったり,教室に寄って資料だけもらおうとしたところ,まったく別の塾に入って来てしまったり,たまにそういう方が来室されることがあります。
間違えていらしたお客様に対して,あべこべに,自分の塾の説明をしてしまう,ということもできますね。
以前に私が経験したのは,私の塾に体験授業を申し込んだのが,場所を間違えて隣の別の塾に行ってしまった親子がおり,なんと,その塾で無理やり勧められてその場で体験授業を受けてしまった,ということがありました。お約束の時間にいらっしゃらないので,電話してみて(つながったのは翌日だったと思います)わかったことです。

世の中のお仕事の多くは客商売です。また,人とまったくかかわらずにできる仕事というのはほぼ皆無ではないかと思います。
客商売であればお客様のことを第一に考えるのが基本でしょうし,人とのかかわりでいえば,信頼関係が大切でしょう。
間違えていらしてしまった方に対して,どのように接するのが信頼される態度なのか,それは言うまでもないでしょう。ただ,普段通りに他店を案内したあの店員さんは,動揺することもなく,あのように対応できるのは,自信と誇りがあるからでしょうし,それを胸に働いてらっしゃるというのは立派でもあると思うのです。

では。