志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

借用証

こんにちは。

昨日,お金のことを書いたので,思い出したこんな話をしたいと思います。
個人が特定できるようなことは書かないようにしているのですが,この話も,すごく特殊だと感じる方が多いだろうとは思うものの,よくある話で,そういう意味では個人を特定できないだろうとは思います。

大学時代のことです。
そこは,両親とも高卒で,中学でも高校でも塾に通わず,ずっと小中高と市立の学校に通っていた自分には場違いではないかと思えるような場所でした。周りには,中学受験をして東大に何十人も合格するような学校に通い,さらに中学のころから予備校にも通って合格してきた人たちであふれていました。

その中の1人の友人です。
中学受験では「失敗」して,東大に40人程度「しか」合格しないところに進学し,大学受験でも「失敗」して東大に不合格となり,後期で合格したと語っていました。
「 」つきにしたのは,世間的な価値観と彼(彼女)のご家庭の価値観がずれているからですね。それでも確かに,ご家族としては「失敗」だったのでしょう。

大学に進学する際に,家族,とくに母親からは浪人して東大に進学することを強く勧められたそうです。
それでも後期で合格した大学に進学することに決めたところ,激怒した母親から,借用証を渡されて返済する契約を交わすよう求められて応じたそうです。
その金額は1,000万円近かったと思います。
小学校から高校時代までの塾・予備校代,私立の中高の学費などを細かく計算してあり,それらの合計金額だそうです。借用証も正式な形で作成してあり,双方の2通を作製して割印を押してあり,印鑑も親御さんのものは実印を使用してありました。

中学受験であったり,親御さんが熱心なあまりに価値観を強要してしまうと,おかしな親子関係になってしまうことがあるようです。
中学受験生の場合には,泣いても許してもらえず,殴られながら勉強をしたとか,ほとんど虐待に近いような話を聞くことも多いです。
中学受験するメリットも確かに大きいのですが,慎重に考えなければならない部分も確かにありますね。
「中学受験は親御さんが決断しなければなりません。」
「女の子は高校受験だと選択肢が少なくなるので絶対に中学受験させるべきです。」
というのが,学習塾の典型的な売り文句ですが,やはりお子様とよく話し合ってお子様の意思を尊重することや,お子様の成長段階を見極めて,中学受験に適応できるかどうか判断してあげることが大切ですね。

では。